保育士の新しい働き方として、「保育ママ」が注目されています。「人間関係のストレスが少ない」「保育方針を自分で設定できる」など、メリットが多いからです。乳児に特化した保育施設として、保護者からも期待が高まっています。

ですが、保育ママの仕事内容や、保育ママへの転職の仕方が分からなくて困っている人がほとんどだと思います。ここでは、保育ママの仕事の内容と、保育士から保育ママに転職する方法を解説します。

保育ママ(家庭福祉員)の仕事内容・収入まとめ。保育士との違いは?

保育ママは自宅で少人数を保育する

2008年に法定化された保育制度

保育ママとは、保育園に入園できない子どもの保育を請け負う仕事です。待機児童削減のための措置として設けられたのが、保育ママ制度です。

制度自体は「昼間里親」などの名称で古くから存在しましたが、2008年の児童福祉法の改正に伴い、家庭的保育事業として法定化され、ガイドラインも制定されました。

乳児のみの預りで少人数

対象となるのは3歳未満の乳児で、保育ママの自宅で預かるため、アットホームな雰囲気が特徴です。子どもの人数は3人まで、補助員がいれば5人までなので、1人ひとりの子どもにじっくり向き合うことができます。

育児をするのと同じような業務内容になるので、子育て経験のある主婦が人材として注目されています。

食事を提供する場合もありますが、基本的にはオムツやおやつ、弁当など子どもが使うものは、ほぼ保護者が用意します。利用者は、自治体で保育ママを紹介してもらいます。

収入は保育料と補助金の合計、30万円程度

保育ママの就労形態は基本的に、個人事業主です。収入源となるのは保育料と補助金で、月収30万円程度が可能です。収入の内訳は概ね、以下のようになっています。

・保育料:子ども1人あたり2~3万円/月
・自治体からの補助金:子ども1人当たり7~8万円/月
・自治体によっては施設管理費が出る場合あり
・賞与なし

3人預かれば月収30万円くらいになりますが、預かる子どもが少ないと収入が減ります。

保育ママはシフト制ではない

預かる時間は、原則18時まで・1日8時間で、延長保育や早朝保育に対応している自治体もあります。拘束時間は長いものと思っておいた方がよいです。

休日は自治体の方針に従う形で、基本的に日・祝休みです。夏季、年末年始休暇もあり、10~20日程度の有給休暇も取得可能です。

同僚や保護者が少ないので人間関係の悩みがない

保育園で働くのと違い、上司や同僚が存在せず、保護者も少ないので、人間関係の悩みが生じにくいメリットがあります。保育方針も自分のカラーを打ち出せます。

保育士から保育ママに転職する方法

地方公共団体からの認定を受ける

保育ママになるには、自治体からの認定を受けます。認定条件は、自治体によって異なります。

保育士・幼稚園教諭・看護師などの資格取得者または、3年以上の保育経験者であることが一般的な条件です。無資格者で保育ママになりたい場合は、自治体が行う研修を受けます。

資格や経歴の他に、年齢や自宅環境などの条件もあります。詳細は自治体によって異なるため、居住する自治体の家庭福祉員制度に沿った環境を用意します。

一般的には、25~60歳くらいまでで、兼業でないことや、ペットや就学前の子ども・介護が必要な同居家族がいない、6畳以上の保育専用のスペースを確保できることなどが条件になります。

保育ママの就業形態

保育ママの就業形態には、以下の4つのパターンがあります。

  • 家庭福祉員として自宅で開業
  • 法人が運営するミニ保育園で働く
  • 小学校の空き部屋などで、3名の保育ママで保育を行うグループ保育室
  • 保育士を雇って小規模保育事業を開業

自治体ごとに、どのパターンの保育ママが認定されているのかが異なるため、事前の確認が必要です。

自宅で開業

もっとも一般的なパターンです。自分で環境を用意しなければなりませんが、手取り年収がもっとも高く、人間関係のストレスももっとも少ないです。自分の保育スタイルを貫きやすいメリットもあります。

一方、福利厚生がなく、ボーナスや退職金もありません。経営者として1人で子どもと保護者に責任を持たなければならないため、人間関係に問題が生じたときに逃げ場がなく、自分が病気になったときも、自分のことは後回しにしなければなりません。

自由度が高い反面、一番責任が重く、もっとも覚悟が必要なパターンです。

ミニ保育園

自治体の後ろ盾のもと、私立保育園やNPO法人が運営する小規模の保育園です。場所は民間のマンションなどなので、自宅を解放せずにできるメリットがあります。就労形態も個人事業主ではなく、正社員やパートなどとして運営元の法人に雇用される形になります。

他の保育ママや調理員など数名と一緒に働くので、不安や孤立感が少ない反面、自宅開業に比べて保育方針などの制約が生じやすいです。

グループ保育室

自宅を使えない保育ママ3人で、自治体に小学校の空き部屋やマンションなどを用意してもらって開業するパターンです。自宅開業と同じで、個人事業主扱いになります。開業資金などの補助がない代わりに、備品などは自治体の負担になります。

仲間がいるので1人で自宅開業よりも不安が少ない反面、仕事ができない保育ママや、方針が合わない保育ママと一緒になると非常にやりにくくなります。3人の保育ママのバランスを見た上で、開業を判断した方がよいでしょう。

なお、幼稚園内で公務員保育士が保育を行うものをグループ保育室と呼称する自治体もありますが、ここで取り上げるグループ保育室とは運営元が異なる別物です。

小規模保育事業を開業

保育ママと保育園の、中間に当たる事業形態です。グループ保育室と似ていますが、グループ保育室のように自治体に管理されるのではなく、民間の法人や個人に経営が任されています。定員もグループ保育室より10名ほど多く、6~19名です。

また、グループ保育室は仲間と開業しますが、小規模保育事業では保育士などの従業員を自分で雇用して開業します。

注意点としては、小規模保育事業は、保育ママ制度とは別の「子ども・子育て支援新制度」によって運営している自治体が多いことです。そのため、自治体によっては、自宅開業から小規模保育事業への移行が認められない自治体もあります。

開業する場合は自治体で募集しているときに応募する

開業するパターンの場合は、自治体が募集しているときに応募します。年度によっては募集がない年もあるので、居住する地域の自治体に確認しましょう。

まだ保育ママ制度を実施していない自治体も、保育ママの導入を検討中の自治体が多く、未導入の自治体は、今後少なくなっていきそうです。

従業員として働く場合は求人を探して応募

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まとめ

保育ママには4つの形態があります。

  • 自宅で開業
  • ミニ保育園
  • グループ保育室
  • 小規模保育事業

形態によって、個人事業主として自分で開業するパターンと、雇用されるパターンに分かれます。

開業する場合は自治体に応募し、保育ママとして雇用されたい場合は、保育士専門求人サイトで求人を探して応募します。

保育ママが事業として法定化されたのが最近のことなので、まだ求人が少なく、導入されていない自治体もありますが、保育ママの需要は今後、ますます増加が見込まれます。