物事の全体像が見える人にとって、企業の経営に携われる経営企画は、営業や事務などの末端の仕事よりも魅力的です。他の仕事を経験していくうちに、経営業務に興味を持つ人も多いですよね。

ここでは、未経験から経営企画に転職したい人のために、経営企画への転職で求められるスキルや経験おすすめの求人の見分け方と探し方を紹介します。経営企画への転職に最適な年齢と、転職までにやっておくべきことも紹介するので参考にしてください。

目次

経営企画の仕事内容・年収・将来性は?

経営戦略を練り、取締役会など経営会議を運営する

職域は企業規模や業種によってかなり異なりますが、ここでは経営企画の主な仕事内容を紹介します。

経営企画とは、企業の中長期的な経営企画を策定・進捗管理を行うなど、経営戦略を練って、経営者の経営業務をサポートする仕事です。

市場のニーズ動向や競合他社、自社の営業データや人材資源などを調査・分析し、そのデータをもとに、全社的な視点で事業部門ごとの利益計画や予算などを調整・立案します。

経営会議で経営陣へのプレゼンテーションを行うこともあります。経営会議では、議事録の作成や進行役も担当します。

経営会議で決定した方向性に進むために、コスト削減やビジネスモデルの再構築、M&Aの推進など、具体的な経営目標も立てます。

経営企画の部署があるのは従業員100名以上の企業

小さな企業では社長が1人で経営企画の業務を行うことが多いですが、企業規模が大きくなってくると、組織として経営企画を行う必要が出てきます。そのため、従業員数100名以上の企業には、経営企画のための部署があるのが一般的です。

経営企画を行う部署名は企業によってさまざまで、「経営企画部(室)」、「事業企画部」などの部署が設置されています。社長室が経営企画の機能を備えていることもあります。

計画実行の管理や社内ルールの策定も行う

立案した計画がスタートしたら、進捗状況を確認しながら、必要に応じて数値目標の見直しや施策を講じます。

また、合法的な企業経営を行うために、社内ルールや内部統制手順を策定するのも経営企画の仕事です。

平均年収は高め、残業やや多めで休みはやや少なめ

経営企画の平均年収は695万円で、給与所得者全体の平均年収440万円より高めです。年齢が高くなるほど、企業規模が大きくなるほど年収が高くなるのが一般的です。

残業は月に25時間程度、年間休日日数は120日程度が平均なので、残業はやや多め・休みはやや少なめです。

英語力が高く、海外の文化やビジネスに強い人材は今後も需要が増加する

近年はアジアをはじめ、海外で事業展開する日系企業が増えています。それに伴い、海外進出や現地でのM&A、業務提携に強い経営企画の人材の需要も高まっています

国内では当面、右肩上がりの成長が難しいため、日系企業が海外に拠点を求める傾向は今後も続くことが予想されます。

したがって、海外で活躍できる人材であれば食いっぱぐれはないでしょう。

未経験から経営企画に転職する方法

未経験から経営企画に転職するには、複数の事業部門での経験と英語力が必須

経営企画は採用数が少なく、複数の事業部門での経験を持ち、なおかつ高い能力を持つ人だけが入社できるエリートコースです。

優れた経営感覚を持ち、財務会計や管理会計、統計学に明るい人が歓迎されます。企業法務といった業務もあるので、法律に明るい人も歓迎されます。

また、経営企画の人材は、国内よりも海外進出のための人材が求められています。したがって、英語で交渉できる能力は必須です。

経営企画への転職は、資格よりも経験・実績重視で選ばれる

経営企画への転職では、資格よりも経験と実績が重視されるため、資格の有無が選考に影響することはありません。

資格はあくまで、業務に必要な知識を学ぶために取得するものと考えた方がよいです。経営企画の業務に必要な知識を習得できる資格には、公認会計士・中小企業診断士・MBAが挙げられます。

コミュニケーション能力と志望先の企業に対する熱意も求められる

経営計画を進めていくためには、各事業部門の責任者に計画内容を納得してもらう必要があり、そのためにはコミュニケーション能力が必要です。

また、立案した計画について説明するときに、自社を成長させたいという意気込みを感じなければ、相手は本気にしてくれません。

立案に説得力を持たせるには、「自社をどのように成長させたいのか」という具体的なビジョンや熱意も必要です。

経理財務やマーケティング経験者は未経験でも歓迎されやすい

経理財務やマーケティングは、経営企画の業務の性質と共通する部分があるため、これらの経験がある人は未経験でも歓迎されやすいです。

特に、外資系コンサルや外資系投資銀行、公認会計士を経験している人は、経営企画への転職に有利です。

逆に、経営企画への転職が難しいとされるのは営業職です。ですが、高い営業実績や新規事業立ち上げの経験がある人の場合は、比較的歓迎されやすいです。営業職の強みとして、顧客目線で新規事業の提案ができることをアピールするとよいです。

経営企画への転職にもっとも適しているのは40代

経営企画への転職では、豊富な職務経験と実績が求められるので、若手よりもある程度、年齢を重ねた人材の方が好まれます。そのため、年齢では40代がもっとも歓迎されやすいです。

まだ20代・30代で経験や実績が少ない人の場合は、業務の効率化や業績アップの実績を積みながら、マネジメント経験を通して組織運営を経験しながら、経営企画への転職に備えておくとよいです。経営についての学習も進めておきましょう。

未経験から経営企画に転職、失敗しない転職先の選び方

経営陣の方針が自分と合わない企業は避けた方がよい

経営企画の仕事で大きなやりがいとなるのは、企業をよりよい形にできたときの達成感です。ですが、自分がよいと思う仕事をさせてもらえない環境では、ただの雑用係のような気分になってしまい、経営企画の仕事が辛くなってしまいます

イノベーションは周囲を巻き込むのに時間が掛かるものなので、気長に構えることも大切です。

ですが、経営陣の方針が自分の目指す方向とあまりにも食い違う企業は、避けた方がよいでしょう。

知らない業界の企業は避けた方がよい

経営企画の計画を進行するには、社内のさまざまな人の協力が必要です。しかし、経営企画は営業などの現場職に比べてその分野の知識が不足しやすいため、知識不足で足元を見られてしまうことも多いです。

特に、未経験業種での経営企画への転職となると、その分野の専門知識が全くないので、協力を仰ぎたくてもバカにされて相手にしてもらえず、仕事が進まなくなってしまいます

経営企画に転職したいなら、現職と同業種の企業を選んだ方が仕事がやりやすいです。

営業職の年収例が極端に高い企業、いつも同じ求人を出している企業も避けた方がよい

業種によってもブラック企業の特徴が多少異なります。一般的な傾向としては、歩合制の営業職の年収例が極端に高い企業や、いつも同じ求人を出している企業は、人材使い捨て型のブラック企業である可能性が高いです。このような企業は、避けた方がよいでしょう。

また、求人に詳しい勤務条件などが明記されていない企業も避けた方がよいです。特に、昇給について書かれていない求人は、長く働いても初任給と変わらない給料のままの可能性があります。

平均年収が高く、福利厚生が充実している企業はホワイト企業の可能性が高い

インセンティブがない職種でも平均年収が高く、福利厚生が充実している企業は、従業員を大切にするホワイト企業の可能性が高いです。福利厚生は最低でも法定福利厚生である以下の4つが整っている企業を選ぶようにしましょう。

・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金

なお、年間休日日数は、120日以上を目安に判断すると無理なく働けます。また、1人の社員を長く大切に使いたいと考える企業ほど、育成制度が充実している傾向があるので、研修や資格取得支援などにも注目して企業を選ぶとよいです。

採用ステップが長い企業は人間関係が良好な傾向がある

採用ステップが長い企業は、選考で人柄がよい人だけが残りやすいため、職場の人間関係が良好な傾向があります。ハラスメントなどの対人トラブルを避けたい人は、採用ステップにも注目してみましょう。

未経験OKで優良な経営企画求人を見つけたいなら、転職エージェントを使うのが確実

ハローワークや求人サイトでは、求人票に書かれている以上の情報が得られないため、本当に未経験者を採用する気があって優良な求人を見つけるのが難しいです。

未経験から経営企画への転職での求人探しは、転職エージェントで非公開求人を紹介してもらう方法がもっとも簡単で確実です。

転職エージェントでは、求人企業の採用基準や実際の条件を把握した上で、これまでの経験や実績を好条件で買ってもらえる非公開求人を紹介してくれます。

さらに、選考通過のためのサポートも受けられるので、不利になりがちな未経験転職も有利に進められます。

経営方針など、求人企業の内部情報も教えてもらえるので、入社後のミスマッチも事前に防げて安心です。

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まとめ

経営企画は、経営戦略を練って経営者の経営業務をサポートする仕事です。海外でのビジネスに対応できる人であれば需要が高まっているので、年収も高めです。

経営企画への転職では、現職と同業種の企業を選んだ方が有利です。また、さまざまな事業部門での実務経験や実績が重視されるため、若手よりも40代が歓迎されます。その他に以下のスキルと人物像も重視されます。

英語による交渉力
・優れた経営感覚
財務会計や管理会計、統計学、法律に明るい
・コミュニケーション能力
・志望先企業をよりよくしたいという熱意がある

資格は必須ではありませんが、公認会計士・中小企業診断士・MBAを取得しておくとよいです。

経営企画の求人は、非公開求人になっていることも多いので、転職エージェントを利用すると見つけやすいです。