転職支援サービスとは?

転職活動を行う時にはどうしても不安がつきまとうものです。初めての転職の際には、それこそ右も左もわからない状況で、準備・情報収集の段階から始めていかなければなりません。経験者であっても、
「次こそはいい職場に出会えるだろうか」「転職でキャリアを間違えたりしないだろうか」
といった不安を抱えながらの活動となるのがほとんどです。

終身雇用が崩壊したと言われて久しい日本経済において、転職は珍しいものではなくなりつつある一方、こうした転職に関する不安が軽減されるわけではありません。だからこそ、転職活動をサポートする転職支援サービスの注目が高まり、需要も増しているのでしょう。

転職支援サービスに求められるサポートやサービスに変化も見られつつあります。いろいろな業者が転職支援サービスに続々と参入したことで、「どれも内容は同じ」といった印象もつきまとい、どうしても求人数やブランドイメージで選ぶ傾向が見られます。

当然、たくさんの求人を抱えている方がよい転職先を見つけるチャンスも得られやすくなりますし、リクルートやマイナビのようなブランドイメージが確立されているところが運営しているサービスのほうが安心して利用できるのも確かです。

しかし、転職事情は人それぞれ、ひとりひとりの置かれている状況や転職先の希望、将来のビジョンを踏まえた上で転職活動を行う必要があります。メジャーなところ、規模が大きいところであっても、すべての転職希望者のニーズに応えられるわけではありません。

そのため、求人数だけでなく、サポート内容の充実をセールスポイントに掲げる転職支援サイトも増えています。近年になって、さらに一歩踏み込んで、サポート面に特化したサービスを提供するところも増えています。つまり、求人を紹介して転職の橋渡しをするのがメインではなく、ひとりひとりの転職事情を考慮し、キャリアプランや転職した後のサポート、あるいは面接対策などをサポートしていくことをメインとしているのです。

極端な話、求人情報はネットを活用すれば、いろいろな場所で探すことができます。しかし、こうしたサポートはよいところを選ばないとうまく機能せず、役に立たないという面が出てきます。この分野に特化したサービスが登場するのも、ごく自然な流れだったのかもしれません。

キャリア相談サービスとは?

例えば、mentorsは日本初の転職希望者のキャリアを中長期的に支援していくことを前提にした、メンタリングサービスを手掛けるサービスを2020年に開始し、話題になりました。このサービスはLife Will Change株式会社によって運営されているもので、メンタリングサービス、つまり「メンター」によるサポートを大きな強みとしています。

一般の転職支援サイトや転職エージェントでも、キャリアアドバイザーやコンサルタントといった名称でスタッフのサポートがつきます。キャリアプランのほか、広く転職に関する悩みや疑問点に相談に乗るサービスを行っているわけですが、ひとつ大きな問題点もあります。一般の転職支援サイトでは「転職ありき」を前提にしている点です。

転職サイト・転職エージェントは通常、無料で登録・利用が可能です。この手のサービスは利用者から直接利用料をもらうのではなく、転職が成功した際に、求人を掲載している企業から報酬をもらう形で利益を得ています。ですから、キャリアアドバイザーにしろ、コンサルタントにしろ、「転職を成功させる、それもできるだけ早く」を前提にサポートを行っています。

こうした姿勢ゆえ、必ずしも利用者にとって理想的なサポートになるとは限りません。しばしば不満点として挙げられる「アドバイザーから求人を強引に勧められた」といった意見など、とにかくなんとしても転職を成功させることを最優先にしたサポートになるため、利用者の希望や条件が十分に反映されないことも多いのです。

mentorsに代表されるキャリア相談サービスをメインに据えたサービスの場合、あくまでキャリアプランや転職・仕事の悩みの解消を前提にしているため、必ずしも転職する必要はありません。メンタリングサービスによってメンターとよく話し合い、新たなキャリアプランを形成した結果、「現段階では転職は得策ではない」と判断されることもあるわけです。

転職とサポートが結びついたサービスでは本人の希望が十分に反映されるとは限らず、また将来的なキャリアプランが反映されず、目先の転職の成功にこだわってしまいがちな面を持っています。

キャリア相談をメインに据えた新たなサービスでは、この従来の転職支援サイトによく見られていた問題点を解消したうえで、利用者ひとりひとりの事情に寄り添ったサポートができる環境を整えていると言えるでしょう。

中長期的な支援が強み

キャリア相談サービスですから、転職そのものが最終目標ではなく、5年後、10年後にどのような環境にいるか、順調にキャリアプラン通りに進めているかも意識したうえでの支援を行っています。再び転職が必要になることもあれば、同じ職場で働き続けつつキャリアプランを修正し、キャリアアップのために資格の取得などが必要になってくることもあります。

こうした点にも中長期的に相談に乗り、目標の実現、さらには目標を超えるキャリアの達成を目指しています。

有料制

最大の特徴とも言えるのが、この手のキャリア相談サービスでは有料制が導入されている点です。先程触れたように、一般の転職支援サービスや転職エージェントでは求人を掲載した企業から報酬を受け取る形となっているため、どうしても企業寄りのサービスになってしまう傾向が見られます。有料制なら、あくまでお金を払ってくれる利用者の都合を最優先したサポートが可能です。

利用者本人から利用料金を受け取っているわけですから、サービスを提供する側は本人が転職しようとしまいと、収益の面で影響はないわけです。かえって無理に転職を進めて失敗などしようものなら退会されてしまい、収益が減ってしまう恐れもあります。この料金体系の違いからも、利用者に寄り添ったサポートが受けられると評価することができるでしょう。

転職支援サイトとキャリア相談サービスの両方を使いこなそう

もちろん、無料の転職支援サービスがよくないというわけではありません。無料で利用できるのはやはり魅力ですし、非公開求人など、他のサイトでは見られない求人を見つけることもできます。何より無料なので、複数のサービスを掛け持ちで利用できるメリットもあります。

ですから、従来の転職支援サイトかキャリア相談サービスかのどちらかを選ぶのではなく、両方をうまく使いこなしながら、転職活動を賢く行っていくのがポイントとなるでしょう。キャリア相談や転職活動のサポートはキャリア相談サービスをメインに活用し、準備を十分に整えたうえで、転職支援サイトの求人情報からよさそうなところを探していく、といった贅沢な使い方もできるわけです。

mentorsのほかに、人気があるPosiwill Careerやキャリアアップコーチングなどもキャリア相談をメインに据えたサポートを手掛けています。初めての転職で不安が大きい方、またはなかなか満足の行く転職支援サービスを見つけられずに悩んでいる方は、こうした新しいタイプの転職支援サービスも検討してみましょう。

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