現在は銀行員として働いているけれど、ノルマの厳しさ・サービス残業の多さ・人間関係にうんざりして、今すぐにでも辞めたい、と思っている人は少なくありません。
ただ、銀行員という安定した社会的地位を捨てるのはもったいない、後ろめたい気持ちもあるのが正直なところです。そこで、転職するなら安定していてノルマもない、休日はしっかり休める公務員の人気は高いのですが、そもそも公務員への転職は可能なのでしょうか?

こちらでは、銀行員から公務員への転職をする際気をつけること民間企業でおすすめの職種についてまとめてみました。公務員への転職方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

今からでも間に合う?銀行員から公務員への転職を目指す際に注意する事

受験には年齢・職歴制限の確認があるので要注意

公務員を受験するには、自治体によって年齢・職歴制限を設けているので、まずは条件をクリアしているかチェックする必要があります。自治体のホームページに採用情報が掲載されているので、そちらで確認できます。

どの種類の公務員を受験するか

「公務員」と一言で言っても、様々な種類があります。大きく分けて、中央官庁で働く国家公務員、県庁や地方の役所で働く地方公務員があり、それぞれ試験が異なります。転勤が嫌なら、全く転勤がないわけではありませんが、勤務する範囲が限定される地方公務員を選択するべきです。その上で、社会人経験枠を受験する必要があります。

面接での志望動機対策が重要

なぜ銀行員を辞めてまで公務員になりたいのか、しつこく聞かれることは避けられません。面接官が納得してくれる志望動機はあらかじめ準備しておいてください。
公務員試験は受験者が多いため、まずは筆記試験でふるいにかけられます。筆記試験についても、一般的な企業の筆記試験とは異なり、公務員試験対策の準備が必要です。ただ、筆記試験さえクリアすれば、学歴や職歴のしがらみは多くないので、面接でしっかり判断してくれます。

もはや鉄板ルート。銀行員を辞めて公務員に転職する人が多い理由

とにかく銀行員を辞めたいけど安定した仕事がしたい

とにかくノルマが厳しい銀行時代がトラウマで、ノルマのない仕事がしたいと転職を考える人も少なくありません。また、残業や終業後のつきあいから解放され、ワークライフバランスを充実させたい、のんびり仕事がしたいといった理由もあります。
公務員を目指す人の多くが、転職しても安定した職業で、なおかつのんびり仕事ができる環境を求めています。

過大評価は危険。本当に公務員に転職して大丈夫?

公務員はのんびり仕事ではない

一般的に、公務員は定時でのんびり仕事をしている、というイメージを持たれがちですが、決してそんなことはありません。近年は、公務員=サービス業という意識も高まっているため、のんびり仕事をできるような環境を期待してはいけません。

3年ごとに配置換えがある

特に地方公務員の場合、転居を伴うような異動は少ないですが、部署の異動は多く、だいたい3年を目処に部署異動が続きます。その都度、人間関係もリセットされ、所変われば業務内容も全く異なるなど、簡単ではありません。

一般企業への再転職は難しくなる

一度公務員になると、専門職以外は一般企業への再転職は難しくなるため、さらに転職を考える場合には注意が必要です。特に行政職では、潰しが効かず転職が厳しいのが現実です。警察官や消防などの公安系公務員、保健師や栄養士などの資格免許職については、民間でも公務員でも資格と経験を活かして活躍できる場が広がっています。

銀行だけが悪いということはない、公務員も似ている部分はある

公務員の職場では、内部の風通しは案外よくありません。ノルマがあったり成績次第で給料が変わったりするわけではないので、お互いをフォローしあったり、協力して仕事を進めたり、という姿勢は積極的には見受けられません。

公務員は人気の高い職業で、高い競争率をくぐりに抜けて採用された人たちですが、コミュニケーション能力に欠ける人がいるのも事実です。職場に馴染めず、人間関係に苦しむ人も多い職場です。
部署にもよりますが、仕事内容が単調でつまらない、上司が全く仕事をしない、などヤル気が上がらないケースもあります。

市民からゴミくず扱いされることも

窓口業務や訪問業務を伴い、市民と直に接するような部署は、不満のはけ口として市民から厳しく叱責されたり、無理難題を押し付けられたりするケースも多く、実はストレスの多い仕事でもあります。「税金で給料をもらっている」ということが、風当たりが厳しくなる要因でもあります。

公務員試験に自信がない人が狙うべき民間企業の種類

メーカールート営業

銀行員として今までの営業能力が生かせるルート営業がおすすめです。ノルマがきつくないうえに、休日もしっかり休むことができるので、営業職の中でも緩い職種です。銀行員時代に培った、コミュニケーション能力や交渉力も活かすことができます。

企業の経理・事務職

銀行の窓口業務や裏方事務をしていた人におすすめの職種です。銀行員は数字に強く、責任感があり仕事が丁寧・正確といった、お金を扱うのに必須の条件を満たしている、というイメージが強いので、経理や事務に転職するのは有利です。

銀行員からノルマなしの安定した会社に転職するには

最も重要なのは、転職先の見極めです。転職エージェントには、公務員そのものの求人ではなく、公務員に準ずるような団体・連合会職員といった求人は掲載されています。
転職エージェントを利用して、プロのキャリアコンサルタントから内部情報を得るくらい積極的に行動してください。

銀行員が激務過ぎて転職活動もままならない人は転職サポートの力を借りる

転職エージェントであれば、自分に合った企業の紹介をしてくれます。直接の紹介だけでなく、職務経歴などを登録しておけばマッチングシステムによりメールで求人情報を得ることもできます。また、担当のキャリアコンサルタントは、応募書類の添削や面接対策だけでなく、スケジュールの調整や条件交渉も代行してくれるので、銀行員を続けながらでも転職活動を進めることができるのがメリットです。

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、リクルートが運営する転職エージェントです。幅広い業種や職種の求人を扱っていますが、公務員の中途採用の求人は、自治体のホームページに掲載されるので、エージェントではそのものの転職案件を扱っているわけではありません。
しかし、銀行員からの転職におすすめの職種紹介や、志望動機の書き方、面接対策などのサポートを行ってくれるので、頼りになる存在です。
また、非公開案件も豊富にあるので、まずは登録して情報収集に利用することをおすすめします。

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まとめ

厳しいノルマや労働環境、人間関係に悩む銀行員が、給料も良くてのんびり仕事をしていそうな公務員への転職に憧れるのは無理もありません。
ただし、隣の芝生は青いというように、公務員はただのんびり仕事をしているわけではありません。銀行員のようなノルマはないとしても、厳しい世論に晒され、人間関係もシビアです。

公務員は筆記試験も厳しく、倍率が非常に高いですが、中途採用となるとなおさらです。年齢制限がある自治体も多く、誰でもいつでも受験できるわけではないので、事前の下調べや計画が重要です。公務員試験に自信がない人は、メーカールート営業や企業の経理・事務職もおすすめです。銀行員から公務員への転職を目指すなら、長いスパンで自分のキャリアについて考えてみてください。