自衛隊として国の平和のために働いてきた人の中には、あまりの激務、タテ社会の強さに辞めたい!と強く感じ、転職を考えている人も多いのではないでしょうか。

ところが、せっかくなった公務員を簡単に辞めるわけにはいかない、辞め方に失敗した先輩や同僚を見て転職するのに勇気が出ないという人もいるでしょう。

この記事では、自衛隊をスムーズに辞める方法や、自衛隊を辞めてから転職できる民間の転職先について紹介します。

自衛隊を辞めたい理由は?

上司とソリが合わない

一般企業に比べてかなり強いタテ社会である自衛隊では、上司とのソリが合うか、合わないかによって働きやすさにかなりの差が生じます。特に新しく入ってきた新隊員は、先輩の一般部隊の小間使い、雑用係のような仕事も任され、何のために入隊したのか分からずに転職していく人もいます。

また、タテ社会の象徴ともいえるのが上司の高圧的な態度です。上司が「白い」といえば、黒いものでも白いと言わざるを得ない環境があります。

上司の中にはまれに新隊員教育に熱心で、個人的な感情をはさまない人もいるものの、偉くなればなるほど「自分の新人時代にはもっとひどいことをされた」と復讐するかのように理不尽な要求をしてくる上司に悩み、転職を希望する人も多いのです。

民間企業で働きたい

自衛隊は公務員ではありますが、特殊な勤務体制で24時間続けて勤務ということもあり得る仕事です。訓練も厳しく、基地の中では異世界のような体育会系のタテ社会が繰り広げられている一方、たまに見るテレビや、スマホの中ではサラリーマンがアフター5を楽しんでいるような様子が見られる…。

自分たちが置かれている状況と、民間企業で働く人々の状況の違いに気が付き、民間企業の9時~17時勤務フレキシブルな勤務体制に憧れて、民間企業で働きたいと思う人も多いでしょう。規律の厳しい自衛隊に比べれば、民間企業の就労規定なんて難なくこなせそうな気がする…という理由で民間を目指す人も少なくありません。

自衛官には残業代も出ない

自衛隊は自衛官と事務官にわけられるのですが、事務官には残業代が支給されるものの、自衛官には残業代が出ません。事務官が必要な仕事を自衛官に指示し、自衛官は事務官の指示に従って数時間残業しますが、残業代が出ないため実質タダ働きです。

しかし、同じ時間残業している事務官には残業代が出るため、時には残業の必要がなく、翌日でも十分に間に合う仕事であっても事務官の残業代稼ぎのために残業を強いられる時もあり、同じ自衛隊なのに!と理不尽に耐えられず、辞めたいと強く思う人もいます。

出世すればするほど激務になっていく

一般企業では管理職になると部下のマネジメントに集中し、現場の仕事からは遠のいたり、ある程度の仕事は部下にふっていくこともできるようになります。

しかし、自衛隊では違います。中尉、少尉などの「尉」がつくような幹部自衛官ともなると、寝る時間を確保することが困難なほどの激務に追われます。法理上では24時間勤務となっている自衛官の中でも、上記のような幹部ともなると、深夜2時に業務を終え、翌朝4時に出勤することもあり、キャリアアップとハードワークが比例しているような幹部を見ていると、自分も偉くなればこうなるのか…と、憧れよりも恐怖を抱く人が多いでしょう。

女性自衛官でも体力差考慮なしの訓練がキツい

自衛官の訓練は、女性でも男性でも同じプログラムを組まれるため、男性ですらハードな訓練を、体力的な差を一切考慮せず、女性自衛官もまったく同じ訓練をこなす必要があります。

そもそも女性自衛官の枠自体が男性に比べてかなり限られているため、入隊できた時点で体力や精神力が男性と同等であることが多いものです。

しかし、やはり元々の体のつくりが異なること、生理やその周辺時期の諸症状など、女性特有の身体的特徴から、男性と同じプログラムをこなすことが難しい時期もあります。男性と肩を並べて第一線で活躍したいという気持ちがある一方で、それができないという歯がゆさ、また結婚や出産といったライフイベントを考えると、転職するなら今かもしれない…と悩む女性自衛官も多いのです。

自衛隊は簡単には辞められない

任期制自衛官は、入隊と同時に自衛官候補生に任命され、任期制として一定期間勤務したのち、民間企業に転職するか、希望があれば自衛隊に残ることができます。

しかし、任期制ではない場合、転職するかどうかを自由に選択できるタイミングは、自分から切り出さない限り訪れません。自衛隊を簡単には辞められないことの背景には、以下のような理由があります。

退職までの道のりが長い

これまで紹介してきたような理由から、自衛隊を辞めたいと思ったことがあり、実際に辞めようとした人もいるでしょう。または辞めようとして行動に移した同期や先輩を見てきた人もいるでしょう。

しかし、そのような場合、順調に辞められた人を見たことがないという人も同時に多いのではないでしょうか。

一般企業であれば、辞めたいという意志を直属の上司に伝えればそこから退職の手続きが、始まるのが一般的です。ところが、自衛隊となると班長、小隊長、中隊長など、退職の意志を伝える人が多く、その都度引き止められることもあり、辞めようと決意してから実際に辞めるまでに時間がかかってしまいます

中には班長はクリアできたけど、小隊長に強引に慰留されて結局辞められなかった…という人もいて、辞めるのを諦める人もいます。

辞めることを伝えるのは1ヶ月前でも遅い

一般企業でも辞めることを伝えるのは1~3か月前までと就業規則で規定されているところもありますが、基本的には労働基準法にのっとり、14日前までに申し出れば退職することは可能です。

しかし自衛隊は、辞める人がいると部隊の人事編成を作り直さなければいけなくなるため、1か月前に伝えるのも遅いです。一般企業であれば、空いたポジションに1人経験者もしくは新卒者を入れれば済む話ですが、自衛隊の場合はもっと複雑です。

自衛隊では1人辞めると所属部隊だけでなく、上級部隊の人事も再編制することになります。そのため、一般企業よりもさらに退職意思を伝えるタイミングが重要になります。

退職意思を伝えるベストタイミングは、業務の区切りがつく年度末(3月末)か夏季転属時期の前(7月末)です。上記期間前であれば、どちらにしても転属につき部隊の再編制を行う必要があるため、あなたの退職による影響を部隊が受けにくくなり、退職の意志も通りやすくなります

中々辞められないとしても脱柵だけはNG

上官になかなか認めてもらえない、そもそも伝えるのもためらっている、そんな人がつい考えてしまうのが「脱柵」。いわゆる脱走行為で、「言うのが難しいなら言わないまま出て行ってしまえ」と逃げたくなります。

しかし、脱柵は上官や部隊だけでなく家族にも迷惑をかける上、多大なお金を支払わなければいけなくなる可能性があります。

隊員が脱柵した場合、所属部隊や私服隊員による市内の捜索、警務隊から警察などの外部へ捜査要請、覆面パトカーの捜索など、一気に大事になります。実家や最寄り駅などにも先回りされるので、逃げ切るのは至難の業です。

また、捜索に掛かった費用は全額脱柵した人の負担になるので、辞めるどころか大金を支払わなければいけなくなります。

長い道のりを超えてでも早く転職した方がいい理由

自衛隊はどれだけ長く勤めても、53~57歳までしか働くことはできません。年金の受給年齢が上がってしまっている今、定年退職してすぐに年金暮らしで隠居なんていうのはできません

となると、自衛隊を定年退職してから民間企業に転職しなければいけなくなります。若い世代の未経験転職なら難しくもありませんが、50歳を過ぎた自衛隊経験しかない人の転職は難しいです。

自衛隊の仕事が辛いと思っている人は、これから何十年も無理して働いて定年後も苦労しなければいけないと考えると、今転職してしまった方が将来的には楽になります。自衛隊で働くのはもう限界だと思っている人は、早めに行動しましょう。

自衛隊から民間に転職、おすすめの転職先は?

体力と正義感が活かせる警備員

元警察官、元自衛官が活躍している転職先が、警備員です。警備員というと、立ちっぱなし、夜勤がある…などのネガティブな印象のある人もいるでしょう。

しかし、警備員の中でも施設常駐警備員で、銀行や大手企業のオフィスビルなどに配属になれば、夏は冷房で涼しく、冬は暖房で暖かい室内での警備となり、夜勤のない勤務形態もあります。

何よりも元自衛官として鍛えてきた体力や、日本の平和のために努めてきたという正義感がそのまま活かせるため、キャリアチェンジをした後でも違和感を持ちにくく、働きやすいというメリットがあります。

技術を活かせる整備士・エンジニア

自衛隊の中でも通信科や武器科では、それぞれの専門的な技術を活かした仕事をしています。

通信科に所属していた場合、傍受されにくいような連絡方法の実践が実務ですが、基礎的なコンピュータ関連の知識が必要なので、民間企業のエンジニアに転職することが可能です。

また、武器科に所属していた場合、火器や自衛隊で使用する車両関係の整備及び不発弾処理に関する業務が実務ですが、車両整備の技術を活かして整備士として車検会社や整備会社に転職するという方法もあります。

上下関係で鍛えられた対人スキルが活かせる営業職

一般企業に勤めている人の中にも、「人に頭を下げることに抵抗を感じる」「命令されるのがイヤ」という人はたくさんいます。

しかし、元自衛隊なら、自衛隊で鍛えられてきた厳しい上下関係の中で生活してきたという経験があるため、「上(顧客)からの要望は絶対」という姿勢で仕事に取り組むことに違和感を持つ人は少ないでしょう。

誠意のある対応、腰の低い対応を望む顧客は多いですから、営業職となって契約を取り付けるという仕事にも向いています。

人間関係に疲れた事務官なら一般企業の広報

自衛隊の中でも自衛官ではなく事務官として勤務してきた人は、体力を武器するのは困難ですから、むしろ一般企業に通じる業務を活かして異業種転職したほうがよいでしょう。

たとえば事務官の中でも広報を担当してきた場合、広告代理店や商社の広報部に転職するという方法があります。

広報の経験があるということだけではなく、事務官として厳しい上下関係に耐えてきた、元公務員で真面目に業務に取り組むことができる、自衛隊としての礼節・マナーがあることなどが評価されやすく、民間にも転職しやすくなります。

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自衛隊から民間に転職、年収を下げない求人の選び方

現在の年収を維持したまま自衛隊から異業種転職するためには、キャリアと求人のマッチングが最重要課題です。

自衛隊としての今までの経験やスキルと、転職先が求める条件がマッチしてないと、単なる未経験転職と見なされ、年収が大幅にダウンする人もいます。

新卒で自衛隊に入隊して民間での勤務経験がないという場合は、民間企業にどのような業種・職種があるのか把握しきれず、本来ならもっと条件のよい求人があったのにと後悔することもあります。

そのため求人サイトなどで自力で探すよりも、転職エージェントのキャリアカウンセリングを受けて、自分のキャリアにマッチする求人を紹介してもらう方が安全です。

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また、転職先を受験した後も採用担当者にあなたを採用する後押しをしてくれるため、転職が成功しやすいのです。未経験転職では不安なこともありますが、各地で転職者向けセミナーを開催しており、転職経験のない人や、初めての民間勤務で何をしたらよいかわからないという人へのサポートも万全です。

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まとめ

自衛隊を辞めたいと思っている人は、1カ月以上前から申告しなければいけないので注意しましょう。ベストタイミングは、業務の区切りがつく年度末(3月末)か夏季転属時期の前(7月末)です。

自衛隊を辞めて民間企業に転職する場合は、以下のような転職先がおすすめです。

体力や正義感が活かせる施設常駐警備員
上下関係から構築された対人スキルが活かせる営業職
事務官広報担当の経験が活かせる広告代理店や商社の広報部

民間勤務経験のない自衛隊員は、調査不足や経験のなさから転職で失敗する可能性もあるので、不安な人はエージェントを使用すると転職活動がスムーズに進められます。