「勤務先が真っ黒なブラック企業。辞めたいけど、辞めると言ったらさらに嫌がらせをされそう。」、「ブラック企業からの転職を考えているが、未払いの残業代はしっかり回収したい。どこに相談すればいい?」

ブラック企業に勤めてしまった場合は、辞めるのも一苦労です。

ここでは、ブラック企業を円満に辞める方法と、ブラック企業の問題を相談できる機関を紹介します。

ブラック企業を辞めたい人や、ブラック企業での不当な扱いについて専門家に相談したい人は、参考にしてください。

ブラック企業を辞めたいときはどうすればいい?

ブラック企業を円満に辞める方法

会社に伝える退職理由を整理する

ブラック企業を辞めたい人のほとんどは、「拘束時間が長すぎる」「パワハラがある」などの会社への不満が退職理由になります。

ですが、会社に伝える退職理由は、「建前の理由」を用意すべきです。特に相手がブラック企業の場合は、会社への不満を訴えることで、逆恨みによる報復を受ける可能性があるからです。

「親が病気になったので、世話をしなければならなくなった」など、自己理由でなおかつ、退職がやむを得ない理由を用意するとよいでしょう。

最初に退職を告げる相手を選別する

最初に退職を告げるのは、直属の上司か、課長クラス以上の「監督管理責任者」に伝えるとよいです。

このときに、当日か遅くても翌日には、退職届も提出しましょう。退職を渋られたときも、退職届の提出日から14日を過ぎると、法律上の雇用契約は自動的に終了できるからです。

ブラック企業での退職届は、手渡しだともみ消される恐れがあるため、内容証明郵便で送るのがおすすめです。

退職の伝え方で最悪なのは、同僚に先に言ってしまい、又聞きで上司の耳に入るパターンです。転職の相談など退職の意思を匂わせる発言も、同僚にはしないようにしましょう。

また、退職を伝えるときまでに、転職先も決めておくと安心です。

退職は1ヶ月前までに伝える

退職を伝えるのは、法律で2週間前までと決まっています。ですが、引き継ぎなどの退職準備が必要になるため、現実的には1ヶ月前に伝えるのがよいとされています。

また、社内規定で「退職はいつまでに伝える」と独自に決まっている場合もあります。社内規定がある場合は、社内規定に従いましょう

引き継ぎをしっかり行う

会社に退職の意思を伝えたら、引き継ぎもしっかり行いましょう。たとえ酷い会社であっても、次の担当者に業務を引き継ぐところまでが自分の仕事だからです。

必要に応じて、自分が担当していた業務のマニュアルなどを文書で残すのもよいでしょう。

私物も置きっ放しにせず、退職までに片付けます。

社内の顔見知りの人には、退職の挨拶もしておきましょう。嫌なことを言ってくる人もいますが、きちんと挨拶することで、社会人としての礼儀を通せればよいのです。

気をつけて!ブラック企業が引き留める時に使う手口

法的処置をすると言って脅す

ブラック企業を退職しようとすると、「急に辞められた分の損失を、損害賠償請求するぞ」などと、法的処置を持ち出して脅してくることがあります。

こうした場合にブラック企業が持ち出す「法的根拠」には、実際には何の正当性もありません

揉めそうであれば自力で戦おうとせず、弁護士などの専門家に相談した方がよいです。

熱血指導のふりをして引き止める

体育会系の会社の場合は、「逃げ出すのか」「仲間を見捨てるのか」など熱血指導型の引き留めをすることもあります。

こうした口上は正論のように感じてしまうことがありますが、実際には「人手が減ると困るから」という会社の都合で言っているだけです。

流されないよう、冷静に対応しましょう。

泣き落としで同情を買おうとする

「人手が足りないのに止められると困る」、「他の従業員の負担が増えるから、もうしばらく待って欲しい」など、泣き落として引き止める会社もあります。

ですが、仮に本当にあなた1人が退職しただけで職場が回らなくなるのであれば、その会社は営利組織としては致命的に弱い会社です。

いつ潰れてもおかしくない会社ということなので、残留する価値はありません

訴えるなら証拠を集める

ブラック企業からの不当な仕打ちに対し、法的に訴えるつもりであれば、証拠を集めておく必要があります

辞めてからだと証拠が得られなくなるので、証拠集めは在職中に行います。

上司との会話をボイスレコーダーなどで録音したり会社が原因で怪我や病気をした場合は、医師の診断書ももらっておきます

勤務時間に問題がある場合は、タイムカードや会社のパソコンの利用履歴シフト表などのコピーや写真も取っておきましょう。

メモや日記、業務日報なども証拠として使えるので、問題が起こる都度、詳しく書いておくとよいです。

弁護士などの専門家に相談するときは、これらの証拠を持参すると話がスムーズです。

「すでに辞めたい」社会人1年生の新卒でブラック企業在籍中の場合は?

10人に相談して8人ブラックだと言うならすぐ辞めるべき

「拘束時間が異常に長い」「激しいパワハラが日常的に行われている」など、生命に危険を感じるような会社の場合は、入社したばかりであろうとすぐに辞めるべきです。

また、死ぬほどではなくても、仕事が原因でうつ病になった先輩がいる会社なども、早く辞めた方がよい可能性が高いです。

ですが、あくまでも「死ぬ恐れがある・心身を壊す恐れがある」という予想の段階なので、本当に辞めるべきか判断が難しいときもあります。

判断が難しい場合は、家族や友達など、社外の人に意見を聞いてみるとよいです。ある程度きちんとした人10人に相談して、8人がブラック企業だと言うなら、その会社は早く辞めた方がよいでしょう。

辞めるなら年齢が若いうちの方が転職に有利

ブラック企業を辞めて転職するメリットの一つは、今までの会社のストレスから解放されることです。

その意味では、転職に支障を来すほど心身を病まないうちに辞めることも大切です。

ブラック企業に入社した失敗経験を活かして情報収集すれば、より自分に合った仕事や会社に巡り合うチャンスにもなるでしょう。

特に、新卒入社でまだ社会人1年目の人の場合は、年齢が若いので転職自体も有利です。辞めるべきと判断したら、ズルズルと残留して年齢を上げてしまわないようにしましょう。

ブラック企業を辞めたい!適切な相談先は?専門家に相談してみる?

ブラック企業のことを相談できるところは全国にたくさんある

弁護士に相談する

給与の未払いや不当解雇など、企業側が法律違反を犯しているときは、弁護士に相談するのがもっとも確実性が高いです。

法律違反かどうか分からないときは、無料法律相談などを利用し、勝ち目があるか聞いてみるとよいです。

弁護士に間に入ってもらう場合はまず、弁護士があなたの代わりに会社と交渉します。そこで和解できなければ、「労働審判→訴訟」という流れで進みます。

ほとんどのケースは弁護士による交渉か、最大3回までの労働審判で決着がつきます。労働審判までの結果に不服がある場合は、訴訟を起こします。

訴訟は数年単位で長期化することもありますが、自分が出廷しなければならないのは本人尋問のときだけです。

労働基準監督署に相談する

残業代の不払いや極端に危険な職場環境である場合など、労働基準法に違反している可能性がある場合は、労働基準監督署でも相談できます

労働基準監督署への相談方法は、電話・メール・窓口の3つの方法があります。電話とメールであれば、匿名でも相談できます。

ですが、電話やメール、匿名での相談は緊急性が低いと見なされるため、是正勧告をするなど具体的に動いてもらうためには、証拠を持参した上で窓口に直接出向いた方がよいです。

窓口で相談できるのは、平日の17時15分までです。

なお、職員が全国で2,400名程度しかおらず、相談員のほとんどが非常勤の社労士などのため、解決に至らないケースも多いです。

労働局に相談する

労働局とは、厚生労働省の地方支分部局の一つで、都道府県ごとに設置されています。労働基準監督署の上位組織に該当し、労働に関する問題に対して、包括的な対応を行っています。

労働基準法違反の可能性がある相談が、労働基準監督署の領域になるのに対し、労働局では職場でのパワハラやセクハラなどの相談を受けることが多いです。

基本的には助言のみの対応ですが、下部組織の「紛争調整委員会」を利用することで、会社との話し合いの場を設けるための「斡旋」も受けられます。

ただし、紛争調整員会の斡旋には強制力がないため、会社に無視されてしまうこともあります。

労働組合に相談する

労働組合に相談することで、個人ではなく「団体」として交渉する方法もあります。自分1人で戦うよりも、解決しやすいのがメリットです。

会社に労働組合がない場合も、個人で加入できる「個人加盟労働組合」に入れます。

個人加盟労働組合は、組合によって得意な問題が異なるため、自分に合った労働組合を選ぶことが大切です。

労働組合に相談すると、労働組合が一緒に、会社と団体交渉してくれます。場合によっては、会社に圧力をかけるなどの解決方法が講じられることもあります。

会社は労働組合からの交渉は拒否できないので比較的、確実性が高い相談先です。

ただし、自分でも動かなければならないため、手間と時間がかかります。

専門家や団体に相談した方が解決できる可能性が高い

ブラック企業はコンプライアンス意識が低く、常識も通じないため、1人で立ち向かっても問題が解決しないことが多いです。ですが、専門家や団体に相談することで、問題を解決できる可能性が高くなります

未払いの残業代なども返ってくる可能性が高いです。

特に訴訟を起こす場合は、「仮処分申立」を行うことで、裁判で判決が出るまでの間、一方的なクビなどの不当な処分も保留にできます。

まとめ

ブラック企業を円満に辞めるには、以下の準備を行いましょう。

・会社に伝える退職理由を整理する
・最初に退職を告げる相手を選別する(直属の上司か監督管理責任者
退職は1ヶ月前までに伝える(社内規定で期限が決まっている場合は、社内規定に従う)
引き継ぎをしっかり行う

なお、給料の未払いなど、ブラック企業の問題を相談できるところも、全国にたくさんあります。

弁護士
労働基準監督署
労働局
労働組合

相談先によって対応できる問題や、解決の確実性が異なります。記事を参考に、必要に応じて専門家に相談することも検討してみましょう。