コロナ禍で変化した働き方、フリーランス

コロナ禍において、世の中で大きく変わった感のある事象の1つが、世間の副業に対する感覚ではないでしょうか。これまでは副業禁止とされていた大企業でさえ、自社の正社員に副業を推奨しはじめるなどの変化は、これまでの日本のサラリーマン社会からは隔世の感があります。

緊急事態宣言が出され、社会人もステイホームを強いられたことで、これまでは絶対に実現は不可能であると思われていた在宅勤務が、必要に応じて蓋を開けてみたら意外と簡単だったことが判明しました。これによって、在宅勤務をしながら副業も行うという選択肢が新たに生まれ、幸運にもそこに手ごたえを感じた人々が正社員という生き方から脱却し、フリーランスとしてその副業のみに時間と労力を注ぐスタイルも広まりました。

日本独特の労働慣習が悪しき方向に拡大解釈されたような、長時間労働及びサービス残業を含む低賃金という、いわゆるブラック企業での勤務に不満を抱いていた社員たちは特に、これを機に一斉に正社員から独立して、ストレスフリーの環境で自由に働けるフリーランスとして自分の力を試す流れが生まれました。

フリーランス1年目の現実

しかし、フリーランスとして独立した人々の全てが順風満帆なスタートを切ることができたかと言えば、答えはノーでしょう。そのポイントは、やはり仕事を受注できるかどうかの分かれ目にあることは明らかです。企業に属している限り、会社全体で営業活動を行うことで常に仕事がありますが、それを当たり前と思っている正社員が独立すると、実は当たり前ではなかったことに気付くことになります。

独立してフリーランスになれば、受注する仕事は自分で見つけてこなくてはいけないからです。フリーランスには在宅勤務に向いていて需要も多い職種があります。その内の代表的な1つはエンジニアでしょう。パソコンが1つあれば在宅でも仕事ができますし、保守やメンテナンスの運用から、システムのプログラミング、ウエブデザインやソーシャルメディアなどの広告分野まで幅広い案件をインターネット上で探すことが可能です。

こうした情報に接し、自分のスキルで対応することが可能であると分かっていても、クライアントとなる企業から案件を受注できなければ、そのスキルを発揮する機会を得られないわけです。自分のスキルを過信し、誰かがそのスキルをかってくれるであろうと思い込んでしまった結果、競合のフリーランスが多すぎて全く稼げないという現実に直面しやすいのが、まさにフリーランスの1年目です。

フリーランス1年目の明暗を分けるポイント

では、独立後1年目でも受注できるフリーランスと、全く受注できずにうまく行かないフリーランスの差はどこから生じるのでしょう。最も大きな違いは、計画的に営業活動ができているかどうかでしょう。平たく言えば、フリーランスとして独立したものの、仕事が少ない人も数多く存在するということです。

まだ正社員の頃には、取引先の担当者は「独立してもやっていけるよ、もし独立したら仕事をお願いするよ」といった社交辞令を口にするものです。それを真に受けて、狸の皮算用のみで独立してしまうと、実際に仕事の依頼に伺った同じ担当者から、手のひらを返されて絶望的な気持ちになってしまう可能性もあります。

仮に正社員時代の人脈が功を奏して、独立後すぐに数件の受注を得られたとしても、作業に集中するあまりにその後の営業活動を怠ってしまいがちです。そうすると、既存案件がクローズした後、次の案件が全くないという事態にもなりかねません。そうした事態に陥ってはじめて、会社員は仕事を与えられる恵まれた環境にあったことに気付くのです。

この大切なポイントを理解しているフリーランスは、作業をしている間も必ず次の案件受注に向けての営業活動を怠りません。フリーランスという言葉が「槍(ランス)をかまえた戦士」から派生していることを知らない、1年目のまだ勝手がわからないフリーランスは、仕事がない状態に焦りと不安を感じ、割に合わない仕事を受け始めたり、仕事のミスを重ねたりもします。

信頼が全てと言っても過言ではないフリーランスにとっては、致命的なことです。また逆に自分がどれほどの作業量をこなせるのかという現実問題を把握できていないと、受注したものの納期までに仕上げられずに信頼を失うパターンもあります。複数の案件を同時進行させている場合などは、自分でプロジェクトマネージャーの役割もこなす必要があります。

正社員時代はチームのサポートを受けられていたことも、フリーランスは助けてくれる人は自分自身のみであるという自覚が必要です。

フリーランス1年目の課題

さらに正社員時代と大きく異なる点の1つが、体調を崩してしまうと収入がストップしてしまうという課題です。会社では有給休暇を使わせてくれるので、数週間休んでも収入が途絶えることはありませんが、フリーランスは自己の体調管理の不備は、そのまま収入減という結果となって跳ね返ってきます。

さらに、正社員は就業時間が決められていますが、フリーランスはタイムマネージメントも自分次第です。怠けようと思えばいくらでもそうできますし、趣味や気晴らしなどに時間を使ってしまうことも自分次第です。そうした勤怠管理を厳しく自分に課すことが難しい1年目のフリーランスは、そのままズルズルと怠惰な環境を作ってしまう可能性すらあります。夢と希望に燃えていた時期が過ぎると起こりがちな状態かもしれません。

そしてもう1つの大きな課題は、環境が孤独になりがちであるということです。会社にいけば多くの上司や部下、同僚たちに囲まれていた環境は、フリーランスになった途端、ひとりぼっちになってしまいます。この仲間の不在という状態は、意外に大きな意味を持ちます。

精神的に頼れる人が存在しないということは、人を不安にさせるものです。全ての判断について相談できる人が少ないということは、フリーランスのデメリットの1つと言えます。特に具体的に顕在化していない問題など、漠然とした懸念や不確定要素については、なおさら不安を募らせるでしょう。

フリーランス1年目として心すべきことは、こうした不安に負けないように、具体的な成果を確信できるような年間収支計画の立案とその進捗確認が必須です。

2年目以降も軌道に乗せるために必要なこと

最も難しい独立後1年目を乗り切ることができれば、気持ち的にはかなり楽になるはずです。自分の作業量の限界値も想定でき、自分に足りないスキルも分かってくるでしょう。そうした自分が得意とする分野の案件にて成果をあげて、この分野であればお願いしようと思ってもらえる実績と信頼を構築する道筋を立てる必要があります。

また、逆に苦手な分野も把握し、そこを改善して仕事の範囲を広げるのか、もう切り捨てて得意分野に特化するかの選択も行えます。営業面において助けになるのは、仕事をもらうことができるサービスです。フリーランスとして登録し、外注案件を依頼したい企業とのマッチングを行うサービスを積極的に活用しましょう。

プロフェッショナルとして案件ごとに契約するスタイルであれば、納期に合わせて次の案件受注を準備するサイクルを回すことが可能です。その登録サイトにおいて実績を積めば積むほど、次の案件の受注が容易になります。正社員時代の人脈からの受注と、紹介サイトからの受注という2つの柱をバランスよく維持することが必要でしょう。


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