本来の業務時間を過ぎてもまったく仕事が終わる気配がなく、ほぼ毎日のように残業している…という人は少なくないでしょう。

残業代がついても長時間労働は辛いのに、サービス残業で終電に間に合わないような時間まで残業を強いられたのでは、これから何年、何十年を続けて勤務する気が失せてしまいますよね。

残業のない会社に転職して、今の残業生活にサヨナラしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、残業が多い職種や特徴残業が少ない会社の特徴残業なしの求人選びのポイントについて紹介します。

なぜこんなに残業が多いの!?残業が多い会社の職種・特徴とは?

残業が多い職種は介護やIT系

同年代の友人に比べて、どうしてこんなに自分だけ残業が多いのだろうと悩んでいる人は、今の勤務先が他に比べて残業が多い業種・職種である可能性があります。

サービス系の仕事は、どうしても残業が多くなりがちです。特に介護福祉関係は、夜勤もあり、“福祉”の言葉に便乗してサービス残業が横行しがちです。

また、営業職やシステムエンジニア、Webデザイナーなどの専門職も残業が多い傾向にあります。営業職は取引先の都合に合わせるため、早く帰りたくても相手の都合によって帰宅できません。エンジニアやWebデザイナーは納期があり、特に納期間近のエラーや修正依頼によってかなりの長時間労働を強いられてしまうのです。

給与体系が裁量労働制

社会問題にもなった裁量労働制ですが、これは実際に働いた時間は関係なく、労働者と雇用主の間で取り決められた時間分の給与のみを支払うというものです。

つまり、裁量労働制の場合は、どれだけ残業しても、最初に取り決められた賃金しか支払われないのです。

裁量労働制では、みなし残業代として残業代があらかじめ含まれているため、他の求人に比べて少し待遇がよいように見えます。

しかし、実際はみなしで40時間分の残業代をもらっていても、45時間、50時間、それ以上残業することのほうが多く、最終的には割に合わないことが多いのです。

それ以前に、年俸制や裁量労働制のように残業代があらかじめ賃金に含まれている時点で、残業があることは確定しています。しかもその残業時間は、みなされている時間を上回っている場合が多いのが問題なのです。

憧れの定時退社。残業が少ない会社の特徴

離職率が低く、労組が強い

定時とともに、「お疲れ様でした」と退社できるなんて、夢のようだと思っていませんか?でも、実際に定時で退社できる会社はありますし、残業が驚くほど少なくて済む会社もあるのです。

そのような会社の特徴は、離職率が低いことにあります。四季報などで離職率を調べることができますが、一部の企業は非公開にしているところもあるため注意が必要です。会社に不満がなければ離職する社員も少なく、そこから残業時間の短さも想像できるからです。

また、労働環境が整っている企業には、労働組合(労組)があります。労組は従業員で構成された組合であり、賃金や残業時間を含む労働環境の改善のためにある組織です。労組の強い企業は、無理な残業を強いれば労組から勧告を受けるため、長時間の時間外労働もさせにくいという事情があります。

残業の少ない業界・職種はどこ?

医療機器メーカー、化粧品メーカー

残業が少ない業界・職種といえば、医療機器メーカーや化粧品メーカーです。メーカー自体が消費者ではなく営業時間に限りのある対企業の運営のため、残業時間は少ない傾向にあります。

その中でも医療機器メーカーや化粧品メーカーの営業は、直行直帰でOKのところが多く、契約本数さえ目標数値を達成していれば、残業の必要性は実質ゼロといってもよいでしょう。

事務などのアシスタント系

総務事務、経理事務などのアシスタント系の職種は、会社の終業時間に合わせて勤務が終了になることが多く、業種にもよりますが、残業は比較的少なめです。

メーカーの事務や、インフラ系の事務であれば、他の従業員の勤務体制に合わせて、ほぼ残業なしで退社できる場合が多くなっています。

店舗で消費者向けに営業している会社

企業ではなく、販売店舗で直接消費者に向けた営業を行っているスポーツ用品店、調剤薬局、クレジット会社なども、消費者に向けた閉店時間に合わせて業務が終了します。

閉店後の片づけや、翌日の準備もありますが、そんなに多くの時間が取られるものでもないため、残業時間は短くて済むのです。

工場、シフト制の仕事:給料は低い

工場の仕事も、終業時間とともに工場の生産ラインが止まってしまえば仕事のしようがないため、残業が少ないものです。

まれに時期的なヒット商品(夏季のアイスクリーム、清涼飲料水など)が出ると、生産ラインを止めるわけにはいかず、残業が発生することもあります。

それでも、このような例外がなければ残業時間は少なく、さらに土日も休みであることが多いのです。

また、シフト制の仕事も次の時間帯になれば次のシフトの社員が入ることから、シフトであらかじめ決まっていた時間を越えた労働は発生しにくくなっています。ただし、工場の仕事もシフト制の仕事も、給料が低い求人が多いことに注意が必要です。

BtoBメーカー

対消費者ではなく、対企業に向けたビジネスをしているBtoBメーカーの場合、残業の少ないホワイト企業が多いのが特徴です。たとえば住友化学、昭和電工、JSRなどのメーカーは、残業が少ない上に給与水準も高く、隠れた優良企業として有名です。

このようなBtoBメーカーは、知名度が伴っていないことも多く、また求人が非公開になっていることも多いため、自力で見つけるのは困難かもしれません。そのような場合は、非公開求人を抱えている転職エージェントを利用するという選択肢もあることを覚えておきましょう。

残業なしの仕事に転職したい!求人選びのポイントは?

年収や給与が明確な求人を選ぶ

残業がない仕事に転職したい場合は、求人選びの際に必ずチェックしなければならない項目があります。

それが「基本給」「年収」「備考」です。まず、基本給と年収の内訳を計算して、基本給×12にプラスして賞与分を上乗せしてもまだ年収額に届かないようであれば、それだけの残業代が出るほど残業しているということになります。

また、備考欄で「裁量労働制」「固定残業代制」などの表記がある場合は、残業があることは確定しています。さらに「45時間分」のように残業時間が書いてある場合、それだけ残業しなければならないと考えたほうがよいでしょう。

このようなことから、基本給と年収額を計算しても差がない求人、「裁量労働制」などの表記がない求人を選ぶことが、残業のない仕事に転職するための近道だといえます。

残業代込の給与、年俸制の求人は選ばない

“モデル年収“には残業代が含まれている可能性あり

残業のない仕事に転職したい…と思い、実際に空いた時間で求人票をチェックしている人も多いのではないでしょうか。しかし、ここで注意したいのが、転職サイトやハローワークの求人票の中で、“モデル年収”として提示されている部分です。

実際の給与(月給)ではなく、“モデル年収”となっている場合、残業代が含まれた(残業があることを前提とした)金額になっていることがあります。一見「高収入でよい求人」のように見えるのですが、その実は残業の多いブラック企業だったりすることもあるのです。

年俸制の中にはみなし残業代が含まれている可能性あり

また、年俸制の給与も注意が必要です。年俸制ということで、みなし残業代を含めて金額を提示している企業もあります。

この場合、残業しても年俸の中に既に残業代が含まれていることになり、残業の可能性が高い上に、別途残業代が支給されないというダブルパンチを受ける可能性があるのです。

同職種で残業が少ない仕事を見つける

同じ職種に転職すれば、転職後のギャップが少なくて済む

残業のない仕事に転職したいと考えている人の中には、まったく違う職種の仕事に転職でもしない限り、残業のない勤務先なんて見つからないと思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。

しかし、実際には職種はそのままに残業が少ない仕事に転職するという方法があります。

残業の少ない職種に転職することで、これまでのスキルや経験をそのまま活かすことができ、転職後の環境の違いに戸惑うことも少ないというメリットがあります。

同じ職種でも勤務形式が変われば残業時間も変わる

たとえば、同じ営業職でも新規開拓とルート営業なら、既に契約状態にあるルート営業の方が、新しく契約をとってくる新規開拓よりもスムーズに営業活動がすすみやすく、残業も少なめです。

また、同じ製造業であっても、機械設備を設計、製作する生産技術は、設計にエラーがあると残業が多くなりがちです。

一方、品質保証なら製造された完成品を検査し、予定された機能を果たすかどうかを測る部門のため、検査が終われば残業はほとんどなく退社できます。

まとめ

残業ばかりの日々に疲れた人は、残業のない仕事なんてないと思い込みがちですが、実際に残業のない仕事、残業の少ない仕事は存在します。

医療機器メーカー、化粧品メーカーや事務などのアシスタント系の仕事や、店舗で消費者向けに営業している会社や、工場、シフト制は、残業が少ない傾向にあるのでおすすめです。

さらに求人を見る際には、給与が明確に記載されていて、残業ありきの裁量労働制ではないことをチェックするようにしましょう。

まったく違う職種に転職しなくても、同職種で残業時間の短い仕事もあるため、転職活動を始める前に、あなたが今勤務している職種の中でも残業時間の短い仕事がないかどうかを確認することをおすすめします。