「会社がブラック企業でもう仕事をしたくない」、「退職届を出してもすんなり受理してもらえそうにないしばっくれたい」

ここでは、正社員で会社をバックレたらどうなるのかその後にしておくべきこと転職活動への影響について解説します。

会社に行くことすら億劫でバックレたいという人は、この記事を参考にしてみてください。
※会社をバックレることを”トンコ”って言いますよね、辞めづらい会社で完璧やる気なしの意思表示。

バックレ1日目、電話が鳴りやまない

会社としても連絡した記録や事実がいる

バックレ1日目の午前中、人が辞めるのが当たり前の超ブラック会社でない限り、会社から電話がかかってきます。会社としても病気になったりや事故に巻き込まれた可能性があるので、生存確認を行う義務があり電話をかけ続けてくるでしょう。

感情的になりやすい上司や先輩がかけてくる場合は、留守番電話に恐ろしいメッセージを残していく可能性も考えられます。

1日バックレても、正当な理由がない場合は厳重注意を受け始末書を書かされるぐらいで済むこともあります。会社を辞めたくないと思えたなら、なるべく早く連絡しましょう。

会社からの連絡を無視し続けると上司や警察がくることも

電話が鳴り響くのを無視し続け何日も無断欠勤をしたら、安否確認のために大家さんもしくは管理会社に連絡がいきます。会社の規定にもよりますが、無断欠勤をしそうにない人の場合は事件性を疑い、上司が警察官と共に自宅を訪問してきます。

孤独死などが増え、警察を入れないと解決しない事件が増えたこともあり、賃貸に一人暮らしの場合は、入居の際に「緊急時は大家もしくは管理会社がカギを開けて中に入ることがある」と誓約書を交わしています。

また、安否確認が取れない場合は会社に提出している緊急連絡先へ連絡されることもあります。

仕事をバックレたら給料はどうなる?やっぱ解雇される?

無断欠勤の日数や理由によっては解雇

仕事をバックレて無断欠勤をしたからと言っても、1日だけで連絡がつく場合は評価が下がるだけで済みますが、各会社の就業規則の定めによっては懲戒解雇または減給処分が下されることがあるでしょう。

無断欠勤が続くと、悪質で情状酌量の余地がなく会社に損害を与えたとして、懲戒解雇や損害賠償請求が発生してくることもあります。企業が無断欠勤によって解雇する場合、裁判所では2週間が正当と判断する目安とされています。

働いた分は給料が支給される

バックレた場合でも、働いた分の給料は支払われます。しかし、バックレた場合は給料を会社まで取りに来させる就労規則を作っている会社も稀にありますので、確認しておいたほうがよいでしょう。

退職金については、無断欠勤だけならばほとんどが支給されます。多額の利益が見込まれる契約をバックレ、横領、個人情報の流出など、懲戒解雇になるような事案での場合は退職金の不支給または一部を支給になります。

二度と会社に行くつもりがないなら、早めに退職届を出しておこう

もう会社で働き続ける気持ちがないのなら、無断欠勤を続けるよりも退職届を出して辞めてしまった方がリスクは少ないです。退職せずに無断欠勤を続けると「解雇」という扱いになります。そうなると履歴書にも傷がついてしまうので、退職という形をとってしまった方が後々のことを考えると楽です。

直接顔を合わせて退職届を出すのが気まずい人は、書面を郵送で送りましょう。

提出するのは「退職願」ではなく「退職届」

退職の意志が固まった時に注意しなければならないのが、「退職願」ではなく「退職届」を提出するということです。退職願の場合、会社が承諾するまではこちらの意志に関係なく退職扱いにはなりません。そこで、「退職した」という事実を持つためには、受理した時点で退職扱いとなる退職届を郵送するようにしましょう。

勤め先がブラック企業なら内容証明郵便を使おう

退職届を出したからと言って油断していると、退職届が届いていないと言われたり、突っぱねられたりする恐れがあるのがブラック企業です。そうなると、「バックレている勤務態度が悪い社員」として扱われて減俸・解雇となる可能性もあるので、リスクを避けるためにも内容証明郵便を使うと有効です。

内容証明郵便は郵便局で行っている郵送サービスで、「いつ、どんな書類を、誰が、誰宛に送ったのか」ということを郵便局が証明してくれます。そのため、会社が「退職届は送られていない」と言ったとしても、「退職届を送った」という事実を証明できるので、法的に問題なく辞めることができます。

バックレてクビになった後にやっておくべき手続きは?

手元にない年金手帳の行方

年金事務局では、年金手帳は個人で管理するものと定義されているため、会社で預かる義務はなく、退職手続きが終わり次第返却されます。

会社に預けられている人は年金手帳を郵送で返却してくれるのを待つか、年金事務局で紛失を理由に再発行してもらうのが早いでしょう。年金手帳の再発行は、郵送、窓口持参で年金手帳再交付申請書を提出するか、電子申請で簡単にできます。

失業給付金をもらうために離職票をもらう

雇用保険に加入していたなら、「離職票」が必要になります。

離職票はハローワークで失業保険の受給手続きに使います。通常の退職手続きだと2週間ほどで離職票が郵送されてきますが、会社が退職の意志を確認できていないために郵送していない場合や意図的に送っていない場合もあります。

離職票は退職の翌日から10日以内にハローワークに提出しなければならない義務があるので、この場合は会社に催促して大丈夫です。会社に直接言いにくい場合には、ハローワークに離職票が送られてこないことを相談してみましょう。ハローワーク側から催促してくれるので、会社とやり取りする心配がありません。

雇用保険被保険者証

転職したときや失業保険に加入する際に必要なのが「雇用保険被保険者証」です。これは雇用保険の加入者であったことを証明する書類で、本来は会社を退職するときに貰う書類です。

会社から送られてこない場合は、ハローワークでの発行も可能です。その際は、「本人確認書類(運転免許証など)」「勤めていた会社の名前や住所が分かるもの」「本人の印鑑」などが必要になります。

源泉徴収票をもらう

源泉徴収票は所得税の申請に必要な書類です。これを受け取らないと次の会社で年末調整ができなくなり、自分で確定申告しなければなりません。

会社は社員が退職した1か月後までに源泉徴収票を送付する義務がありますが、送付の義務を怠り嫌がらせをしてくる会社もあります。

退職から1ヶ月半を過ぎても送られてこない場合には、会社に催促しましょう。どうしても送ってくれそうにない場合には、「送ってくれないのなら税務署に相談する」と言えば、会社にとってもマイナスになるので対応してくれるはずです。

それでも送ってくれない場合には、税務署に相談しましょう。自宅近くの税務署で「源泉徴収票不交付の届出手続」を行えば、税務署から会社に行政指導が入って会社が発行してくれます

最低限、健康保険証の返却はしておく

会社的にも事務手続きがスムーズになるので、健康保険証はきっちりと返却しておきましょう。バックレて会社を辞める場合でも、最低限これだけはしておくべきでしょう。

かといって、身分証としても使える個人情報の塊を郵送するのは不安です。そのため、確実に対面での受け取りになる簡易書留か一般書留で送るのが基本となります。どの郵便局を経由して届いたかも記録してほしい人は一般書留が良いですが、料金が高くなるので、気にならない人は簡易書留でも大丈夫です。

働く場所が決まっていない場合は国民健康保険に加入しないといけません。無保険の場合、病院を受診する際に全額負担となり、かなりの負担になります。

仕事をバックレて懲戒解雇、転職で不利になる?

懲戒解雇は転職に不利

無断欠勤による解雇は、転職先の企業にとっては不安要素が大きく、採用しても無断欠勤されるのではないか、上司の指示に従わないのではないかと思われやすいです。労働者側の問題で起こった解雇は敬遠される原因になってしまいます。。

かといって、解雇の事実を意図的に隠すと経歴詐称になってしまいます。自分から表立って言う必要はありませんが、面接で退職理由を聞かれて嘘をついてしまったりすると、経歴詐称の対象になります。

面接などでは、解雇になったことがマイナスにならないような説明をする必要があります。

懲戒解雇をバレずに転職する方法

ハローワークは使わない

離職票には退職理由が記載されるので、失業保険の手続きの際にハローワークに提出すると懲戒解雇の事実がバレてしまい、ハローワーク経由では転職は不可能でしょう。

稀に、離職票の原本かコピーを提出させる会社もあるので、その場合は転職先にもバレてしまいます。

ハローワーク以外の方法で転職活動をし、面接官が聞いてこない限り懲戒解雇の事実を話さないことを心がけておくとよいです。

賞罰欄のない履歴書を使う

懲戒解雇の事実がある場合は、履歴書の賞罰欄にその事実を記入する必要があります。

会社指定の履歴書に賞罰欄がある場合も正直に記入した方が良いので、賞罰欄が指定されている場合は応募するのは難しいです。指定の履歴書がない場合には、厚労省推奨のJIS規格の履歴書に賞罰欄はないため、賞罰欄のない履歴書を選んで転職先に提出しましょう。

転職サイトにはさまざまな形式の履歴書のフォーマットがあるので、登録してダウンロードできるようにしておきましょう。

まとめ

会社をバックレると、電話で催促されるだけでなく、管理会社や警察を巻き込んだ事態になる可能性があります。また、懲戒解雇になって転職で不利になる可能性もあるので、退職する意思がある場合には退職届を提出してしまった方がリスクが少ないです。

受理した段階で退職扱いになる「退職届」を、内容証明郵便で送ることで、スッパリと辞めることができます。

懲戒解雇になってしまった場合には、ハローワークを使わずに、賞罰欄のない履歴書を使うようにしましょう。