タクシードライバーをめぐる収入はどうなっている?

タクシードライバーは、安定して稼げる職業と言われることもあれば、大変なわりにはなかなか稼げない職業と言われることもあります。また、昇給しづらい職業と言われることもあれば、60歳を過ぎても長く働き続けられる職業として評価されることもあります。なかなか実態が見えてこないことも多く、就職・転職を目指す際には迷う方が多いようです。

基本となる平均的な収入はどの程度でしょうか?全国ハイヤー・タクシー連合会による平均収入のデータがあります。2019年のデータで約348万円です。平均的なサラリーマンの収入が400万円程度と言われていますから、全体平均としてはやや低めとなっています。

ただ注意したいのは、タクシーの給料・収入は一般的なサラリーマンとは違った体系が採用されていることが多く、ドライバーによって収入に差がつく傾向が見られる点です。タクシーは「お客さんを乗せてなんぼ」の面があるため、たくさんのお客さんを乗せることができるドライバーほど収入が多くなるのです。いわゆる「歩合制」です。

タクシードライバーの給与体系(A型とB型)

タクシードライバーの給与体系に関しては、この歩合制と基本給を組み合わせたものが多いですが、完全歩合制を導入しているところもあります。タクシー業界の主流は、「基本給をベースとしつつ歩合制による賞与が加算される」A型と呼ばれるものとなっています。

ドライバーの立場からすれば、基本給で収入を保証されながらも、頑張って働くことでさらに収入を増やすことができる、安定とやりがいの両方を確保できるタイプと言えます。

B型と呼ばれる完全歩合制は、たくさんのお客さんに利用されたドライバーほど、たくさんの給料をもらうことができる形です。結果がそのまま収入に直結するうえに、ドライバー同士の差がはっきりと分かれることになるのが最大の特徴です。経験豊富でタクシードライバーとしての腕に自信がある方なら、高収入を目指すこともできます。

そして、A型とB型を組み合わせたAB型と呼ばれるタイプは、一応基本給を設定するものの、その基本給のベースも実績や歩合を反映したものとなっており、「A型だけれども成果が重視される割合が高い」方式と言えるでしょう。A型よりも実績・成果が重視される一方で、B型よりは収入が安定しているのが特徴です。

タクシードライバーへの転職を目指す際には、この3つのタイプのどれが自分に向いているのかをよく検討したうえで、求人情報を探していくことなるでしょう。

タクシードライバーの悩みとは?

現役のタクシードライバーはいろいろな悩みを抱えているものです。実際に、現在ドライバーとして活躍しながらも、悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。その悩みがタクシードライバーという職業全般によく見られるものなのか、ごく個人的なものなのか、あるいは離職・転職のきっかけになるほど重大なものなのかとなると、なかなか見極めづらい面もあります。

自分が抱えている悩みが他のドライバーにとってはそれほど深刻ではないこともありますし、逆に、自分ではとくに問題を感じていないことも、他のドライバーにとっては転職を決意するほどのものである可能性もあるわけです。

売上のプレッシャー

そんなタクシードライバーの悩みの典型的なものが、先述した歩合制がもたらすプレッシャーでしょう。簡単に言えば、勤務時間という限られた時間の中でどれだけたくさんのお客さんを乗せることができるかが常に問われているわけです。収入に直結するのはもちろん、同僚のドライバーと比較される面もあるため、精神的にかなりキツいと感じるドライバーも多いようです。

この成果へのプレッシャーはタクシー会社ごとに異なるため、それほど気にならないという場合もあれば、耐えられず転職のきっかけになることもあるでしょう。

ひと昔前は、タクシードライバーと言えば移動をしながらお客さんを獲得する「流し」をメインとしていました。ですから、お客さんを多く乗せることができるかはかなり運に左右される面がありました。しかし、現在ではインターネットを活用し、お客さんから直接要望を受けたうえで、お客さんのもとへ移動する方式をメインにしている会社も増えています。

そうなると、評判のよいドライバーは直々に指名されるなど、それほど評判を獲得していないドライバーの間で大きな差がつきやすくなってきます。これも、現代のタクシードライバーにとっての悩みになりやすい面となっています。

勤務時間の長さ

インターネットを活用した方式の採用によって変化が生じつつあるのが「1日の勤務時間の長さ」の悩みです。かつては1日15時間くらいの勤務は当たり前で、延々と街中を流したり、駅前のタクシー乗り場に並んでお客さんを獲得するのを待ったり、といった形が一般的でした。しかし、ネットでお客さんから直接依頼を受け付けるようになったことで、こうした環境が多少なりとも軽減されている傾向が見られます。

タクシー会社としては、お客さんを乗せないまま延々と流し続けるコストを軽減し、無駄に運転している時間を最小限に抑え、効率よくお客さんを獲得できる環境になりつつあるわけです。ドライバーにとっても「勤務中に仕事をしていない時間」が減るため、かつてのような長時間勤務が少なくなる傾向も見られているのです。

長時間勤務がつらくて転職を考えている方は、こうした効率の良い運営方式を導入しているかどうかも転職先を選ぶ際の重要なポイントにもなってくるでしょう。年齢を重ねるにつれて問題となってくる、長時間勤務・運転がもたらす肉体的な疲労や疲労の蓄積による慢性的な体の不調を防ぐうえでも、重要なポイントになってくるはずです。

乗客とのトラブル

そしてもうひとつ、しばしば挙げられるのが、お客さんとのトラブルです。ときどき芸能人がタクシーの運転手とトラブルを起こしたニュースが聞かれますが、ちょっと厄介なお客さんもいるものです。お酒が入って酔っているお客さんもいますし、しきりに急かし立ててくるお客さんもいます。

酔っ払った状態でドライバーに言いがかりをつけてくる、料金について文句を言ってくるというケースも見られます。ドライバーは言いがかりをつけられてもじっと我慢しなければならず、ストレスを溜めてしまうことも多いのです。肉体面・精神面両方で我慢を強いられる職業とも言えるかもしれません。

タクシードライバー向けの転職エージェントを利用してみよう!

こうしたタクシードライバーにありがちな悩みは、ひとりで抱え込むか、同僚と一緒にお酒でも飲みながら愚痴をこぼしてストレスを発散するくらいしかできない、というケースも多いものです。タクシー会社の側もケアを行うこともありますが、なかなか難しい部分も多いでしょう。

悩みを相談できる機会がない、あるいは転職を考えているけれども、どうやって転職活動をすればいいのかよくわからないという方は、タクシードライバー向けのサービスを提供している転職エージェントを利用してみませんか。

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