「クオンツ」という言葉を聞いたことがありますか?一般的には聞きなれない言葉ですが、金融工学や統計学など高度な専門知識を駆使して、デリバティブ商品を組成したり、投資戦略の策定をしたりする専門家です。金融工学を学ぶ人や金融業界で他の仕事をしている人の中には、クオンツへの転職を目指す人も少なくありません。

そんなクオンツに未経験で転職する方法はあるのでしょうか。クオンツの仕事内容年収や、失敗しない求人の選び方についてまとめてみました。現在は違う仕事に就いているけれど、未経験からクオンツに転職したい人はぜひ参考にしてみてください。

クオンツの仕事内容・年収・将来性は?

証券会社で商品設計に携わるケースが多い

クオンツは、多くの場合証券会社などに所属し、商品設計や市場動向の分析などを行っています。デリバティブ商品のプライシングを行うのもクオンツの仕事です。証券アナリストも市場の動向を分析する仕事ですが、クオンツは相場感など感覚の部分を一切排除し、確率論や解析論など数理的な観点から投資戦略を策定するという点で、アナリストとは異なります。

年収レンジは高いが、天井知らずではない

クオンツの年収は約800万円~1000万円という調査結果があり、年収レンジは高いといえます。証券会社など金融機関の社員として職の安定性も高く、年収レンジも高いのは魅力的です。ただし、クオンツは営業職ではなく数字を挙げてナンボ、という世界ではないので、年収も国内企業では頭打ちになってしまいます。その点、より高い収入を求めるなら、外資系金融機関へのチャレンジも視野に入れることをおすすめします。

仕事さえしていれば、労働時間は融通がききやすい

労働時間は比較的融通がききます。アナリストや営業マンのように顧客との対峙が基本的になく、研究や分析を行っている事が多いためです。そもそもかなり高度なことをしているので、想像以上に頭が疲れる仕事です。研究や分析に没頭できる環境を作り、正確で高いレベルの仕事をしてほしい、という企業の思惑もあり、出社時間や残業も自分の裁量で決められることが多く、仕事さえきちんとやっていれば、比較的ワークライフバランスを取りやすい職種といえます。

金融商品の複雑多様化、デリバティブ市場の拡大で需要も高まっている

マーケットのグローバル化や金融商品の多様化により、ますます複雑な市場分析が求められていますが、クオンツとして働いている人が日本にはまだ少ないのが現状です。
よりレバレッジを効かせた商品設計を行い、ハイリスク・ハイリターンを追求する投資家も増えていることからも、クオンツの需要は今後も高まっていくと考えられます。また、近年はAIもめまぐるしい発展を遂げていますが、まだまだ人間の発想を必要とされている分野です。

似て非なるアクチュアリーは「保険数理人」、資格も必要

同じ金融商品開発として、クオンツと似た仕事に「アクチュアリー」があります。どちらも高度な数理学を駆使する仕事ですが、アクチュアリーの場合は、生命保険や損害保険、年金などの商品設計において、その損害が発生する確率やコスト、収益、経営リスクなどあらゆる観点から保険商品の設計を行う仕事です。数学的な手法を駆使し、適正な保険料を算出することから、アクチュアリーは「保険数理人」とも呼ばれています。アクチュアリーとして働くには、アクチュアリー資格試験に合格しなければなりません。これは民間資格ですが、かなりの難関試験です。

未経験からクオンツに転職する方法

必須の資格はないが、高度な金融工学の知識やITスキルも求められる

クオンツとして働くのに必須の資格はありません。ただし、そもそもかなり高度な金融工学の知識を持ち合わせていないといけないので、大学院の理工学部出身者が多くを占めています。また、プログラミングのスキルに加え、近年ではビッグデータ解析のスキルも求められるようになってきました。クオンツの仕事そのものは未経験でも、それ相応の素地がないと、たとえ求人があったとしてもそもそも応募条件を満たさない、ということになります。

未経験から転職するなら30歳までに行動を起こしたい

市場が活況なときはポテンシャル採用がある場合もありますが、一般的に未経験からクオンツへの求人はほとんどありません。ポテンシャル採用に関して言えば、クオンツとしての経験はなくても構いませんが、必要なスキルや経験としては、金融工学の知識に加え、プログラミングスキルがある、金融業界でシステム開発に携わったことがある、といった条件が設定されているケースが多いので、20代のうちにそれなりの経験を積んでおくことが必要です。

未経験からの転職は厳しい、計画的な行動が必要

未経験ならいきなりクオンツへの転職は厳しいので、目指すなら計画的に資格取得など進めておくことがポイントです。また、金融工学についても、専門書で勉強を続けておくなど、知識のブランクができないような努力を続けておくことも必要です。
クオンツとして働くのに必須の資格はありませんが、計画的な準備や継続的な学習状況は、面接の際にもアピール材料になります。

クオンツの面接で必ず聞かれることは、金融工学の知識レベルや経験

クオンツへの転職は、基本的に即戦力を求められます。そのため面接では、当然、専門的な知識を持っているという前提で、仕事に必要な知識レベルを確認されます。金融工学の専門分野学習状況を聞かれるほか、プログラミングの経験英語力なども確認されます。数理系のテストを実施されることも少なくありません。学生時代の研究についてプレゼンを求められることもあります。
また、クオンツの面接は基本的に個人面接が多いですが、受け答えなどからコミュニケーション能力もはかられます。

未経験からクオンツに転職、失敗しない転職先の選び方

条件が良すぎる求人は要注意

クオンツに限ったことではありませんが、あまりに見栄えが良く、条件が良すぎる求人は要注意です。そもそも未経験からの求人はほとんどないため、求人が出ているだけで内容も精査せず飛びつくことは避けてください。また、「やる気次第」といった曖昧なフレーズにも気をつけてください。

求めるスキルや経験などを明確にしてくれている求人を選ぶべき

クオンツは、求められるスキルや経験などが非常に高く、それをクリアしていないと応募もできません。クオンツと一言で言っても、担当する業務は多様なので、運用報告書を作成したり商品開発のテストを行ったり、どの業務を担当するのかどんなスキルが必要なのか具体的に明示されている求人を選ぶべきです。あらかじめ具体的に把握しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。

転職エージェントを活用して良質な求人を見つける

未経験からクオンツの求人を探すには、自力では限界があります。そもそも専門職なので、ハローワークや求人サイトでは優良求人を見つけるのは難しいのが現実です。
未経験転職は不利になりがちなので、効率よく転職活動を進めるために転職エージェントに登録することをおすすめします。転職エージェントは、コンサルタントが求人紹介の他、面接対策や応募書類添削など転職活動をサポートしてくれるサービスです。また、非公開求人も多く、それらを紹介してもらえるので良質な求人に出会える確率が高くなります。
コンサルタントは各業界に精通しているので、内部の情報にも詳しく、入社後のミスマッチ予防にもつながるというメリットもあります。

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、リクルートグループが運営する転職エージェントです。業界トップクラスの転職成功実績と圧倒的な求人数を誇り、転職成功者の約半数以上が利用しているとも言われています。
幅広い業界や職種の求人をたくさん扱っています。未経験者の転職にも強いので、担当のキャリアコンサルタントのサポートによって、面接指導などもしっかり受けられます。20代~30代の比較的若い世代の利用が多く、はじめての転職にもきちんとサポートしてくれる心強い存在です。拠点も多く、土日や夜間にも相談に対応してくれるので、働きながらの転職活動もスムーズに進められます。

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まとめ

クオンツの仕事は、かなり専門的で高度な知識を要するため、金融にも携わらず全くの未経験から転職するのは不可能といえます。大学や大学院で金融工学を深く学び、頭脳明晰で英語力もあり、プログラミングもできる、というスーパーマンのような人材が求められる世界です。ポテンシャル採用として未経験からの転職を目指すなら、30歳くらいまでが限界です。学歴や知識という素地がある上で未経験からクオンツを目指すなら、まずは証券会社や信託銀行に入社して、金融市場に関わる様々な経験を積むことからスタートです。営業、フロント、投資銀行部門、トレーダー・ディーラーなど、様々な職種があり、どれも糧になります。しかし、公開されているクオンツの求人はかなり少ないので、転職エージェントや金融機関専門の転職支援サービスなどを活用することが効率的です。ぜひ、将来性のあるクオンツへの転職を成功させてください。