ひよこ鑑定士は、ひよこのオスとメスを見分けるプロフェッショナルです。
ひよこのオスメスを見分けることは、一般の人には非常に困難です。そしてそれ以上に多くの人にとって、ひよこ鑑定士は馴染みのある職業ではありません。

そこで今回は、ひよこ鑑定士になりたいと考えている人に向けて、その仕事内容や必要なスキル、年収などの情報と共に、ひよこ鑑定士になるまでの流れを具体的に紹介していきます。

ひよこ鑑定士とは?

ひよこ鑑定士の仕事内容

ひよこ鑑定士は正式な職業名では「初生雛鑑別師」といいます。
仕事の内容は、生まれたばかりの鶏の雛、ひよこのオスとメスを分けていくことです。
なぜ「ひよこのオスとメスを分ける必要があるのか」というと、それにより業務の効率化が進むからです。鶏は、オスは主に鶏肉として、メスは主に食用の卵を産ませることが目的となります。この目的の違いによって、オスとメスは飼育方法が異なります。このためひよこ鑑定士がオス、メスを早期の段階で鑑定する必要があるのです。

ひよこ鑑定士のやりがいや魅力

ひよこ鑑定士は実は海外(特にヨーロッパ)では人材が不足しているため、とても需要のある職業です。このため、ひよこ鑑定士の取得後は海外で働く人も少なくありません。こうした海外で働ける資格であることに加え、休暇の面でもシーズンオフには長期的に休むことも可能です。
こうした魅力的な要素があるひよこ鑑定士は、人々の食生活を支える大切な職業でもあります。人を陰ながら支援することが好き、という人にとってはやりがいのある仕事でもあるでしょう。

適性や必要なスキル

ひよこ鑑定士になると、毎日数千羽ものひよこのオスとメスを鑑定しなくてはなりません。その方法は「肛門鑑別法」あるいは「指頭鑑別法」と呼ばれ、ひよこの肛門を指を使って開き、生殖突起を調べることです。非常に細かな作業であり、手先の器用さが求められることは間違いありません。
また、ひよこ鑑定士はほんの数秒でオスとメスと区別しなくてはなりません。加えてその判別の精度も、100%に近いことが求められます。このことから、集中して業務を続けることができる持続力は、ひよこ鑑定士になる上での適正として挙げることができるでしょう。

現状と将来性

ひよこ鑑定士の需要は、国内では少しずつ減少してきています。これは大規模な工場ではひよこの鑑定方法が変わり、羽毛鑑定が主流となってきているためです。
しかし海外での需要は、国内の状況と反して増えていっています。オスとメスを鑑定する方法に革新が起こらない限り、食生活を支えるひよこ鑑定士は不可欠な職業です。国内、国外を選ばずに働くことができれば、仕事の需要は必ずあるでしょう。

ひよこ鑑定士の平均年収は?

ひよこ鑑定士の平均年収

日本国内におけるひよこ鑑定士は、歩合制での勤務がほとんどです。
その場合は、1羽につき5円程度が相場となっていて、平均年収では500万~600万円ほどのようです。平均的な収入は比較的高給と言えるでしょう。ただし月収はシーズンによって鑑別依頼の増減があるため、それに伴い大きく変動があります。

どんな人が稼いでいるのか

ひよこ鑑定士の初任給は20万円程度です。しかし、熟練の鑑定士になると、年収2000万円など平均年収を大きく上回る稼ぎを出す人もいます。

これはひよこ鑑定士が歩合制であり、スキルのある鑑別速度の早い人ほど稼ぐことができるためです。自らの鑑定速度と精度を向上させることで多くの依頼をこなすことができるようになれば、非常に高い給料を稼ぐことも可能です。

ひよこ鑑定士になるには?

ひよこ鑑定士になる方法

ひよこ鑑定士になるためには、まず「初生雛鑑別師養成所」と呼ばれる養成所に入らなければなりません。
この養成所に入るためには、入所試験を通過する必要があります。試験は学科考査、面接、書類審査で構成されます。学科考査は一般教養、適性試験、作文で試験が行われますが、高校卒業程度の学力があれば問題のないものです。

ただし、この入所試験を受けるためには資格が規定されています。満25歳以下で高等学校卒業者。あるいは、それと同等以上の資格のある人という条件に加え、身体強健で視力が1.0以上あることが求められます。視力は矯正での数値で問題ありません。

この入所試験は毎年2月の上旬に行われています。合格した人は初等科に配属され、4月から8月の間、養成所で講義を受けます。この講義でひよこ鑑定士になるための基礎的な知識、技術を習得します。その後は、孵化場において作業を手伝いつつ、研修を2年から3年行います。

しかし、研修を受けているだけでは、ひよこ鑑定士になることはできません。ひよこ鑑定士になるために必要な高等鑑別師の資格を得るためには、予備考査と高等鑑別師考査に合格する必要があります。

予備考査の内容

高等鑑別師考査は、初等科を修了していることに加え、予備考査に合格していることが受験資格として規定されています。
この予備考査と高等鑑別師考査では、実際にひよこを鑑別する技術が問われます。
予備考査では、30分で300羽の雛の鑑別を行います。この鑑別の精度が96%以上であれば、予備考査に合格できます。

ただしこの300羽は各100羽ずつに分けられ、それぞれで95%以上の精度で鑑別することが求められます。また、試験時間は30分ですが、各100羽の鑑別は12分以内に行わなければなりません。
約60%程度の合格率の予備考査に合格することでようやく、ひよこ鑑定士の資格取得の試験となる高等鑑別師考査を受けることでができます。

高等鑑別師考査の内容

高等鑑別師考査では、予備考査からさらに難易度が上昇します。
まず、予備考査では試験に使用される雛は卵用種で統一されていましたが、高等鑑別師考査では肉用種の雛が加わります。卵用種の雛300羽と肉用種の雛100羽の合計400羽を、36分の試験時間で鑑別します。この鑑別の精度は99%以上であれば、高等鑑別師考査に合格できます。

ただしこの400羽は、予備考査同様に各100羽ずつに分けられ、それぞれで卵用種は98%以上、肉用種は97%の精度で鑑別することが求められます。また、試験時間は36分ですが、各100羽の鑑別は10分以内に行わなければなりません。

高等鑑別師考査は非常に難しく、合格率は39%ほどしかありません。
この試験に合格すると「高等鑑別師」の資格を取得でき、晴れてひよこ鑑定士として働くことができるようになります。

ひよこ鑑定士が稼ぐコツは?

ひよこ鑑定士が稼ぐコツ

ひよこ鑑定士が稼ぐためには、何よりまず自身のスキルを磨く必要があります。
就職先となる多くの孵化場では歩合制が導入されています。鑑定の速度、そして精度を磨くことで、より高い給料を得ることが可能でしょう。

また、シーズンオフなど依頼の数によっても給料の変動が起こります。日本国内では少しずつ需要が減少してしまってきているため、海外で働く視野を持つことも大切です。海外ではひよこ鑑定士の人材が不足しているため、多くの仕事が存在しています。海外でひよこ鑑定士の人材不足が発生している背景には、海外の人は手が大きいため、そもそもひよこ鑑定士になることができないという原因があると言われています。
需要の高い地域において、高効率で作業を行うことこそが、ひよこ鑑定士が稼ぐ最大のコツでしょう。

まとめ

ひよこ鑑定士になるためには養成所に通った上で、非常に難易度の高い高等鑑別師考査に合格しなくてはなりません。
狭き門と言える職業ですが、なることさえできれば自分のスキル次第で高給を稼ぐことができ、閑散期であれば長期休暇も可能です。
また、日本国内ではなく海外で非常に高い需要があり、グローバルに働くことができる職業です。