外資系メーカーと日系メーカーでは、さまざまな違いがあります。企業文化や社風、待遇や収入、働き方など、本当に異なりますので、入社後に戸惑うケースも多いでしょう。必要とされるスキルにも違いがあります。外資系メーカー企業への転職を成功させるためには、企業の異文化を理解し覚悟しておく必要があります。

外資系メーカーへの転職を目指す人のために、日系メーカーとの違いと転職に必要なスキルについて、情報をまとめました。

外資系メーカーと日系メーカーとの違いは?

外資系メーカーは企業文化が強い

欧州系と米国系の企業文化の違い

外資系企業は比較的割り切った雇用関係で実力主義が基本ですが、ヨーロッパ系とアメリカ系では企業文化が異なります。米系は、いわゆるバリバリ働きガッツリ稼ぐハードワーカーが多く、常に走り続ける必要があります。実力次第でドンドン昇進・昇給することも可能ですが、「おまえはクビだ!」に代表される軍隊式トップダウンの側面も強いです。

欧州系企業は、さまざまな人種や民族で構成されており、経営もグローバルな合議制・ボトムアップ形式で、柔軟性に富んだ寛容な企業文化が特徴的です。長期休暇やバカンス取得、時短勤務やワークシェアリングなど、効率的に働きしっかり休む的なプライベートや家庭を重視した会社が欧州系には多いですね。

日本に根を下ろした外資系メーカー

日本での歴史も長く確立された外資企業(日本法人が大きい外資系企業)は、日系企業と変わらない社風があります。元々は母国の日本支店としてスタートしていても、日本国内でのビジネス展開が成功して、独立した動きがとれるようになります。そのため外資系でも母国の影響が少なく、日系企業と大差ないケースも多々あります。

企業調査や研究が必要

外資もいろいろで、給与体系や待遇、職場環境などの分かりやすい部分だけでなく、社内に漂う雰囲気や印象、さまざまな目に見えない社風もあります。自分に合った企業かどうかは、企業研究をしっかり行う必要があり、実際に社内に居る人からの情報収集がポイントになります。

コネやツテを駆使してでも、各社の文化の特徴をリアルに掴むことが大切です。

外資メーカーの業種によっても特徴が異なる

消費財メーカー(FMCG)

家庭向け日々の日用品や食品、シャンプーや洗剤、飲料水などの商品を扱う消費財メーカーで、P&G やユニリーバ、ネスレ、ロレアルなどが有名ですね。日本企業も消費財には強いため、店頭でのシェア争いが熾烈で、マーケティングや営業職などはハードワークです。

宣伝や販促投資など予算枠が多く、大きな仕事を経験することも可能ですが、成果が上げらない場合は責任も重くなります。バックオフィス管理部門や工場などは、ワークライフバランスがとりやすいため人気です。

IT系メーカー

マイクロソフト、IBM、ソフトバンクなど、ハードからソフトまでIT業界は、フレックス制の導入など自由度の高い、自分スタイルの働き方ができるケースが多いです。厳しい業界なので人材の流動性も高く、社員の入れ替わりも早い会社もあります。自由度は高くても常に自らのブラッシュアップも必要ですし、ハードワーカーも多いですね。

BtoB(法人向け製品販売)

個人向け(BtoC 消費者コンシューマ向け)では無く、法人向けの製品を扱うメーカーです。
工場や企業への業務用原材料や製品を日本国内の法人へ売る、小規模でも優良な外資系メーカーは日本にもあります。日本国内向けビジネスなので、どちらかというと日系企業と似た伝統的な社風を持つ会社が多いです。

ラグジュアリー系

ファッション系、家具インテリア、高級車など、ヨーロッパの高級ブランド系商品やサービスを扱うメーカーが多いです。ワークライフバランスが重視される企業文化で、同じ商品を愛情もってじっくり長く扱うこと多々あります。高級商材は百貨店などとの取引も多いため、伝統的な日系企業のビジネススタイルに慣れている人におすすめです。

外資系メーカーは日系メーカーよりも高収入

外資系メーカーは完全実力主義

日本系メーカーは老舗になればなるほど年功序列が根付いていますが、外資系メーカーでは成果を挙げられれば、年齢に関係なくキャリアアップできます。年収も実力次第でアップしますし、昇進や降格もあり、同僚や部下が自分の上司になることも多々あります。

若手のうちは残業代がでることもありますが、マネージャークラスになると年俸制をとる企業も多いです。日系メーカーより一般的には高収入ですが、リスクもあります。

外資系企業の研究開発職も高収入

外資系メーカーには、エンジニア職や研究開発職もあり、日本企業に転職するより年収アップする可能性が高いです。特に化学・製薬分野の研究開発職の場合は、日本の優秀な技術者・研究者を高給で集めています。例えば製薬メーカーは、既存の製品を日本国内で発売するための実験やパッケージ開発、日本の法律に合わせるための変更などがメインになります。

1からの研究開発ではなく、最終工程を国内で担当する職務が多いですね。

外資系メーカーへの転職に必要なスキルは?

英語力は必須

英語インタビューの可能性もある

外資系企業では英語力は基本として必須です。仕事内容やポジションによって異なりますが、語学力が面接時の武器にもなります。
若年層人材なら、英語力がイマイチでもポテンシャル採用されることもありますが、上を目指すなら英語コミュニケーション能力が必須なので、語学を磨いておく必要があります。
面接では英語インタビューの可能性もあります。

外資系の面接で聞かれること

面接での質問内容は、経歴や経験業務、営業スタイル、保有スキルなど、一般的な転職面接と大差ありません。ただ、質問への受け答えなどで、ロジカルな考え方や、外資のビジネス文化になじめるかどうか?などが、チェックされています。
例えば問題解決能力として、過去の業務上のミスや大きな失敗の経験、それをどのように乗り越えたのか?転職の理由と将来ビジョン、自社に入社することよってそれらの問題が解決できるのか?も、大きなポイントです。

【部門別】外資系メーカーの転職に必要なスキル

マーケティング部門

外資系メーカー企業では研究開発部門は海外にあることが多く、すでに出来上がっている製品を国内で販売します。日本向けカスタマイズや市場マーケティング、販促や生産などのスキルと、本国との折衝や社内の調整能力が必須で、高い語学力と交渉力が求められます。

営業職

営業は顧客との長年の付き合いが重視されるため日本企業が強く、外資系営業が新規に割り込むのは厳しいです。多額な予算枠があっても、新規開拓はハードワークです。

客先は日系ですから、地道で泥臭い営業スタイルもいまだ健在で、スマートにいかないことも多々あります。成果主義なので売上達成のためには、体力も、タフな精神力も必要です。

人事系部門

外資系企業の採用では、日本企業のように人事が力を持っているケースは少なく、部署のトップの直接採用が多いです。外資系の人事は出世コースではなく、各部門のサポート的存在であり、人事評価もしません。つまり人事業務の細分化された狭い仕事しか担当しません。

担当業務が明確なので、経験してきた業務やスキルとのマッチングが重要になります。

研究開発・エンジニア部門

技術系職種、研究開発部署は、会社によって大きく異なります。外資系メーカーの場合は、すでに研究開発自体は海外で行われています。そのため成分レベルからの発明ではなく、製品を日本向けにカスタムするための研究や実験がメインになりますので、設備や研究施設は日本企業より劣ることも多いです。

発明的な開発力より、日本の法律やルールに詳しく行政向け提出書類を揃えられるスキルが重宝されます。

外資系メーカー転職求人の探し方

転職エージェントから紹介してもらうのが手っ取り早い

外資系企業の求人は多くが非公開求人なので、外資系メーカーの募集に強い転職エージェントを活用するのが一番です。各企業の社風や文化についても社内情報がありますし、英文レジュメ、英語インタビューなど、外資系独特の採用スタイルや面接の情報も得られます。

外資系転職では、面接での質問内容もダイレクトで厳しく詰められることも多々あり、曖昧な受け答えはマイナスです。ネイティブなコンサルタントと模擬面接や練習を重ねることが有効です。

外資系メーカーへの転職に強いエージェント

リクルートエージェント

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転職させた人材も多いので、企業の実態やリアルな生の情報も入手できます。
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拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。

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まとめ

外資系メーカーへの転職には、日本のメーカーとの違いと特徴をしっかり理解し、リスクも覚悟しておくことが重要です。外資独特の企業文化やリスクも把握し、自らのビジネススタイルとの相性や将来ビジョンの確認もしておきましょう。

業種や職種により必要とされるスキルは違ってきますが、英語力は必須です。ロジカルな思考力、問題解決能力、交渉力・折衝能力、自己アピール力やコミュニケーションスキルも大切です。外資系メーカーへの転職を目指すなら、リアルな企業情報や求人案件を得るために、まずは転職エージェントを利用しましょう。

日本企業とは採用方法も異なりますので、外資転職に強い転職エージェントのサポートを受けることがおすすめです。