有名企業ですら倒産や買収が珍しくない昨今、男性・女性問わず安定性を求めて公務員に転職したいと考える人も増えています。しかし、公務員は本当に、みんなが思うようなラクで安定性のある仕事なのでしょうか?

ここでは公務員の待遇の実態をまとめ、公務員試験の内容30代(男女別)で公務員に転職する方法を紹介します。

また、民間企業への転職で希望条件を満たせる可能性と方法についてもお伝えします。

公務員は本当に上流階級?給料や待遇の理想と現実を調査

公務員の平均給与

30代で公務員を目指すとなると、現実的に実現しやすいのは地方公務員の一般行政職です。地方公務員の給与額は自治体によっても多少異なりますが、一般行政職の平均給与は、諸手当を含めて36万5,549円です。基本給のみでは31万8,352円です。

年収はこれに賞与が加わりますので、埼玉県の支給率をもとに賞与額を計算して加算すると、平均年収は約590万円ということになります。仕事がしっかりできる人なら、民間企業でも充分達成できる金額です。

公務員と会社員の残業時間・休日休暇を比較

民間企業の残業時間は会社によって大きく異なりますが、平均すると月間34.1時間です。一方、地方公務員の一般行政職の月の平均残業時間は15時間とされています。

しかし、公務員は予算の都合で残業代が出ないことが多く、残業していることを公にできないときも多々あるため、実際の残業時間はもっと多いと考えられます。

年間の休日・休暇は地方公務員が139日に対し、従業員数1,000人以上の民間企業は133日、300人以下の中小企業は113日というデータがあります。

中小企業に比べるとだいぶ休みが多いですが、大企業と比べると休みの日数はほとんど差がありません。地方公務員は一般にイメージされるほど上流階級ではないのが実態です。

公務員試験は30代からでも受験できる?

公務員の受験資格

公務員の一般的な職種の受験資格の一覧です。

資格種別受験資格
国家公務員Ⅰ種・受験年の4月1日の年齢が21歳以上33歳未満
・21歳未満は次の資格を満たせば受験資格あり。大卒または卒業見込み、もしくは人事院が大卒、翌年卒業見込みと同等の学力を有すると認めた場合
国家公務員Ⅱ種(地方上級)・22〜29歳(自治体によって異なる)
・大卒または卒業見込み、もしくは大卒程度の学力を有する
国家公務員Ⅲ種17歳以上21歳未満
地方公務員初級受験資格は自治体によって異なるが、年齢制限が30歳までの自治体がほとんど

公務員は受験資格に年齢制限があるものが多い

学歴の制限は採用先により異なりますが、最低ラインが高卒の場合が多いです。また、年齢制限があるものが多く、地方公務員は自治体によって受験資格が異なりますが、30歳までしか受験できない自治体がほとんどです。

ですが「経験者採用枠」なら、年齢制限がある採用先でも59歳まで受験できるので、30代で公務員に転職する場合は経験者採用枠として、「民間企業経験者試験」を受験するのが一般的です。

もしくは外郭団体の職員に転職することで、公務員と同等の待遇を手に入れる方法もあります。外郭団体の中途採用は、学歴を問わない求人や高卒以上でOKの求人も多いです。

倍率の高い超難関!30代で公務員の「民間経験者試験」合格は厳しい?

民間経験者採用とは

民間経験者採用試験は、民間企業等での職務経験がある人を対象とする試験です。民間経験者採用の他にも、「民間企業等職務経験者採用試験」「社会人採用試験」など様々な呼び方があります。

地域再生制度などによる自治体の活動に、民間企業経験者のアイディアが活かされることが増えており、「民間企業経験者試験」を実施する自治体も全国的に急増しています。しかし、どの自治体でも必ず行われているわけではありません。
都道府県や政令指定都市では、毎年実施される場合が多いですが、政令指定都市以外の市役所では年度によっては採用をしない場合もあります。

しかし、全国的に民間企業経験者採用を行う自治体は増加しているので、公務員に転職できるチャンスも広がりつつあります。

根強い人気で高倍率

最近では受験者数はほぼ横ばいで微増程度です。しかし、公務員は安定志向のイメージが強く人気があるため、民間経験者試験の倍率はかなり高いです。50人募集で1250人の応募があった自治体もあったほどです。

受験可能年齢

先にも少しお話した通り、民間経験者採用試験は59歳まで受験することができます。各自治体で受験可能な年齢制限の引き上げが強化された背景がありますが、実際に50歳代で合格している人も少なくありません。

このように民間経験者枠が拡大されてきている今こそ、公務員へ転職するチャンスと言えます。

受験資格

民間経験者採用は職務経験が5年以上の者を対象とする試験が多いですが、自治体によって職務経験の期間や年齢上限といった受験資格が異なります。また、正社員でなくても一定の条件を充たしていれば受験できる場合もあります。
詳しくは、各自治体のHPで調べるようにしましょう。

試験内容

行政事務職で受験する場合、試験内容は「教養試験」「論文試験」「面接試験」という組合せが大半で、専門試験が出ることは少ないです。

「教養試験」

一次筆記試験では、各自治体独自の問題が出題され、問題のレベルは、初級レベルで出題する自治体もあれば上級レベルの問題を出題する自治体もあり、自治体ごとに難易度の違いがあります。中には「高卒程度レベル」と募集要項に明記している試験もあり、その場合は高卒程度の試験対策で十分です。
問題数は40問で全問必答としている場合が多いです。

「論文試験」

一般的な論文のほかに、職務経験の内容をもとに記述する「経験小論文」が出される場合も多いです。
新卒を対象とする通常の公務員試験に比べると筆記試験は簡単ですが、公務員となって活かせる民間企業でのスキルは重視されます。

「面接試験」

個別面接が多いですが、プレゼン試験や集団討論を実施する自治体もあります。

30代女性は公務員転職に不利?非常勤からスタートのパターンも

30代女性は公務員への転職に不利

男性に比べて、女性は30代で公務員に転職するのに不利です。公務員は産休・育休制度が充実しているため、それを目的に転職して転職後すぐに休暇に入ってしまう人がいるからです。公務員は民間企業の正社員に当たるので、人事担当の責任問題にも発展します。

ですが、非常勤職員や臨時職員を募集している自治体も多く、非常勤・臨時職員として入職する形なら比較的採用されやすいです。非常勤で採用された場合は、任期満了後は自治体の空いた枠に異動します。非常勤・臨時職員は公務員資格は不要です。

非常勤・臨時職員をしながら公務員を目指すことも可能ですが、正規職員への採用が優遇されることはないようです。

公務員への転職は思ったより難しい…同条件の民間企業に転職する方が楽?

公務員への転職が本当に得策か見直してみよう

公務員に転職を考える人の多くは、「安定した仕事に就きたい」という理由で公務員を希望しますが、公務員は一般の人が思うよりずっと不安定な仕事です。外部化やITによって公務員の仕事が減っており、リストラもあります

公務員より給料や待遇がよい企業も数多く存在します。もし、給料や福利厚生がよく、将来性のある会社に入れるのであれば、わざわざ今から公務員になるメリットがありません。

公務員と同条件の転職先を見つける方が楽

公務員のような条件の良い仕事をしたいけれど、今から試験対策をするのは大変という人は、公務員と似たような条件の転職先を見つけて転職する方が楽かもしれません。
冒頭で述べた公務員の勤務条件である、「年収590万円以上」「残業時間15時間以下」、「年間休日139日以上」であれば、それぞれ下記のような求人もあります。

公務員と近い条件の求人例

・トラスト株式会社<企画提案営業・販売>
残業なし、平均月収38万円で年収約630万円

・三和都市開発株式会社<不動産コンサル・営業>
残業なし、1年目経験者で年収1000万円

・UTエイム株式会社<製造スタッフ>
年間休日139日、月給24万円スタート

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希望条件で求人探しは転職エージェントを利用すると簡単

公務員のような条件の求人は、ネットや転職サイトで調べてもなかなか出てきません。そのため、自分ひとりで求人探しをしようとするととても時間が掛かってしまい、効率的ではありません。
効率良く希望条件に合う求人を探すには、転職エージェントのサポートを利用するのもおすすめです。転職エージェントは、転職サイトでは見ることのできない条件の良い非公開求人を多数抱えています

また、自分のレベルだとどのような待遇の会社に転職できるのかを知るには、転職エージェントに相談して情報を得るのがおすすめです。キャリアコンサルタントに相談することで視野が広がり、公務員よりもよい選択肢が見つかる可能性があります

大手企業の非公開求人が多いリクルートエージェント

リクルートエージェント

年収アップや残業の少なさ・休日の多さ、安定性を重視して転職したいなら、リクルートエージェントに相談するのがおすすめです。リクルートエージェントは求人数が業界最多なので、それだけ多くの企業の情報を知っています

また、非公開求人を約20万件も保有しているので、好条件の転職先も見つかりやすいです。
さらに、業界最大手だからこそ企業からの信頼も厚く、転職者に有利な選考や年収交渉をすることができます

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ハイクラス求人が豊富なJACリクルートメント

JACリクルートメント

30代〜40代のキャリア志向のビジネスマンに人気の転職エージェントです。求職者と求人企業を一人のコンサルタントが担当するので、マッチングの精度が高いです。
外資系企業や日系企業のグローバルポジションに強く、全職種・全業種を顧客層に持っているので、様々な優良求人の紹介が可能です。

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30代で公務員から民間に転職する人も

やりがいを求めて公務員から民間に転職する

公務員は熱心に働いても手を抜いても、もらえる給料は同じです。そもそも、ボールペン1本買うにも決裁を仰がなければならないため、創意工夫の余地もあまりありません。

仕事の内容も単純作業が多いので刺激がなく、自己の成長も望みにくいです。そのため、やりがいを求めて公務員から民間企業に転職する人も増えています「意外に激務だった」、「狭くて濃い人間関係に疲れた」という理由で民間企業に行く人も多いです。

転職先は公務員のスキルを活かした職種のケースもあれば、現職とは全く違う職種に行く人、起業する人などさまざまです。

公務員の転職で枠が空くこともあるのでチャンスはある

公務員の転職で枠が空くこともあるので、民間から公務員になるチャンスはあります。もともと公務員は慢性的に人手不足な上に、近年は民間企業の採用増加で、以前に比べて学生の応募者も集まりにくくなっているため、民間からの引き抜きも盛んです。

まとめ

30代で会社員から公務員に転職する場合は、年齢制限がゆるい民間経験者試験を受験する方法が一般的です。倍率は高いものの、民間経験者採用試験を実施する自治体が増えてきているので、不可能ではありません。女性の場合30代は採用されにくいため、非常勤や臨時職員になる可能性も想定しておいた方が無難です。

民間企業の方が年収が高く、年間休日日数も公務員とそれほど変わらない場合もあります。公務員への転職を決める前に、転職エージェントで企業の給与や福利厚生などについて、詳しく教えてもらうのがおすすめです。