「ベンチャー企業でやりがいのある仕事がしたい」、「自分の能力を活かしたい」と思う若者や、「自分の経験やスキルを試すためにベンチャーに転職したい」という30代は少なくありません。

しかし、ベンチャー企業への転職はリスクも高いです。「入ったらイメージと全然違って、もっと大手を狙えばよかった」、「以前の会社よりも条件が悪くて転職に後悔した」という意見もあります。

ここでは、ベンチャー企業への転職で失敗しないために、ベンチャー企業のメリットデメリット転職するリスク優良求人の見つけるための方法を紹介します。

目次

ベンチャー企業とは?メリットデメリットから詳しく解説

ベンチャー企業の特徴

創業して3年以内程度の若い社員で構成されていることが多いのがベンチャー企業です。会社によって社風や風土が異なり、独特の雰囲気を持っていますので、大手の企業から転職してきた人にとっては戸惑うことも多いです。

抱えている業務も多く、余計なことに気を使っていられないために、現場第一主義となる傾向があります。ハードワークが主体となりますので、若い世代でチームが構成されていることも多くあります。

メリット

年収がアップしたり、新しいプロジェクトに参加できたりと、やる気のある人にとってやりがいのある職場であることには間違いありません。自分で事業をコントロールしているという感覚、売り上げを生み出している実感を強く感じられることから、積極性やバイタリティーに溢れる方にはとても向いている環境だと言えます。

また、1人1人の仕事の幅が広いので、様々な仕事をして経験を積みたいという人には向いています。身につくスキルが多いため、将来的に独立を考えている人などにも向いています。

デメリット

憧れだけで入社すると、即戦力が期待される現場第一主義の環境に戸惑うかもしれません。教育制度や福利厚生が整備されていない場合も多いので、未経験の仕事を大した説明もなくやらされてしまったり、残業代が全然なかったりということもあります。

また、ベンチャー企業は1日8時間で終わることはほとんどありません。これから会社を盛り上げていかなければならないため、とにかく仕事をして会社を大きくしていくことが重要です。

福利厚生がしっかりしていて、残業がない仕事に就きたいという人には向きません。

ベンチャー企業に転職するリスクとは?

資金繰りが難しく倒産する可能性も

ベンチャー企業は基本的に創業してから年月が浅いため、資本力がありません。そもそも、会社としての基礎体力が乏しいケースが多いです。

大企業や老舗企業のように、過去の蓄財や安定した売り上げがまだ無いのがベンチャー企業です。つまり安定収入がないため黒字化も困難で自転車操業、毎月の運転資金・資金繰りに苦労している会社も少なくありません。

ベンチャー企業には長年積み重ねた信用もないため、資金繰りのための銀行融資も受けにくいです。売り上げが上向きかけた状態で、資金繰りがショートしてしまい倒産してしまう残念なベンチャー企業もたくさんあります。起業したベンチャー企業の95%は10年以内に倒産というデータもあります。

イメージ優先でやりがい搾取

タイムカードなし、超苛酷な労働環境

創業したばかりのベンチャー企業は、基本的に多忙で試行錯誤の連続です。組織としての仕組みも出来上がっていませんし、終業時間や待遇などが曖昧な場合も少なくありません。タイムカードもなく1日16時間労働は当たり前、休日もほとんどないという超ブラック環境も「ベンチャーだから仕方ない」と済まされることもあります。

会社として人数が増え組織も安定すれば、コンプライアンス的に労働基準も順守してきますが、スタートアップ状態ではハードワーク必至で、9〜17時なんてありえません

生きるか死ぬかのベンチャー企業で定時退社・残業なしのベンチャー企業は仕事が無いという証拠で、早晩潰れてしまうでしょう。

給与、福利厚生などの待遇面に不満

少人数で起業したばかりのベンチャー企業の場合、安定した売り上げがないため給与(人件費)の支払いに困っていることも少なくありません。人件費を抑えるため給与は低く、ボーナスなんて夢のまた夢です。「儲かったら、みんなで山分けだ」なんて甘い言葉に騙されて、やりがい搾取されることもあります。

福利厚生もほとんどなく、社会保険制度も整っていないことも多いため、自分で国民健康保険に入る必要があります。厚生年金も、雇用保険も怪しいので、成長できるというイメージだけで決断し、待遇など詳細をキッチリ確認しなかったケースは悲惨です。

社長の人柄やカリスマ性だけ

ベンチャーを起業する経営者は、カリスマ性があり人柄にも魅力的な社長が少なくありません。素晴らしい理想やビジョンを掲げ熱く語る社長に魅せられて転職を決意した場合、入社後に騙された、失敗したと後悔するケースも多々あります。

「なにがあってもこの人について行く!」と惚れてしまった場合は自己責任で仕方ないですが、魅力に感じたのが社長の人柄やカリスマだけの場合は危険です。

入社時は社長に憧れていても、労働環境や待遇があまりに悲惨で幻滅することもあります。社長とは相性がよくても、職場で働いている人たちの顔が暗く雰囲気が悪い、ピリピリしているなど魅力的でない場合もあります。実際に社内で身近に接していると表と裏があった、社長と価値観や考え方が実は合わなかったということもあります。

ベンチャーもピンキリ

零細ベンチャーからメガベンチャーまで

ベンチャー企業も、創業間もないスタートアップの零細レベルから、既に安定軌道に入った有名メガベンチャーまで、実はいくつかのステージがあります。

創業したばかりの従業員5名以下のベンチャー企業は、給与や福利厚生なども悪く、非常に不安定でハードワークです。いつ倒産してもおかしくありませんが、一発当てれば大儲け的なギャンブル性もあります。

上場企業並みの売上で従業員も多い有名ITメガベンチャー企業などは、福利厚生や待遇もしっかりしています。大企業並みの安定性がありますが、成長性は緩やかで、ベンチャーらしい自由度は減ってきます。

企業規模や成長ステージによって、自分自身の求めるベンチャー観と異なることも多々あります。

企業の成長ステージとの相性

企業側もベンチャーレベル、企業成長ステージによって重視する人材タイプは異なります。

とにかくスタートアップでは、バリバリ働く破天荒なブルドーザー型の熱血人材が求められます。将来の成功を夢見て長時間労働もいとわず、体育会系的に体力勝負で顧客を開拓し、昼夜を問わずがむしゃらに働くことが苦にならないゴリゴリ系タイプです。労基にうるさい人は嫌がられるでしょうし、自由に気ままにやりたい人には不向きです。

メガベンチャーになればチームワークを乱すタイプはNGで、安定したスキルを持つ有能な人材が重視されるようになってきます。組織として安定してくるため、管理系やマネジメントスキルも重視されてきます。

ベンチャー転職で成功する人と失敗する人の違い

ベンチャー企業で成功する人の特徴

ベンチャー企業への転職で成功するためには、現場第一主義であり即戦力が期待されることを念頭にして、自分の強みが活かせるかを検討すべきです。特に、大手の企業にある教育制度や周囲の人間の協力や支援を期待することはできませんので、自ら動く姿勢が必要です。

仕事を自分の裁量によって進めていけたり、新しいプロジェクトに参加できるチャンスが与えられるなどのメリットもありますので、この環境を活かせる人が成功できると言って良いでしょう。

失敗する人との違いとは

具体的な仕事のミッションを与えられず、各種事務処理についても自らやり方を調べていく姿勢が必要となりますので、大手の会社のシステムに慣れている人にとっては戸惑うことも少なくありません。転職後の環境の変化に適応できるか否かで、結果の明暗が分かれる環境であると言えます。

したがって、対応していけるスキルや行動力に自信がない人にとっては、リスキーな転職先です。これが、必ずしも年収やその他の待遇の良さだけでは、ベンチャー企業への転職を勧められない理由です。

リスクの少ないベンチャー企業の見分け方

スタートアップは避けたほうが無難

起業したばかり、創業1年未満は倒産リスクも高い

スタートアップは組織的にもグチャグチャで混乱も多く、ハードワーク必須です。自転車操業で毎月カツカツの会社では、給与遅滞や未払いもあり得ますし、待遇は悪くて当然かもしれません。資金繰りが悪化しあっけなく倒産するケースも多々あります。

リスクを避けたいなら、特に創業1年未満のベンチャー企業は避けた方がよいでしょう。

アーリーステージ・ミドルステージのベンチャー企業を選ぶ

ベンチャー転職でリスクを避けたいなら、ある程度の事業規模のベンチャー企業を選ぶと安心です。

DeNa・サイバーエージェントなどのメガベンチャーではなくても、ある程度は安定した売り上げをもち、収益が黒字化している会社、資金調達・資金繰りが安心なベンチャー企業を選びましょう。出資金額・投資金額が多い企業が倒産リスクも少ないです。

敢えてスタートアップに飛び込む

リスク覚悟でベンチャーの醍醐味を味わいたい人や、ストックオプションで一攫千金を狙いたいなら、敢えてスタートアップメンバーとして創業に関わりたい人もいるでしょう。

社会にインパクトを与えられるようなイノベーションを起こせるサービス、ニッチで競合の少ないビジネス展開をする会社なら、飛び込む価値もあるかもしれません。

ただし、営業力やマーケティングスキルの高い人材、専門的能力があり結果を出せる自信がある人、倒産した場合にはすぐ転身できるタイプ、転職市場で有利な専門的なスキルや能力がある人に限ります。

投資状況、財務状態などをチェック

ベンチャー企業には資金繰りのリスクがあり、いつ何があってもおかしくない会社も多々あります。資本力が無いため、ちょっとしたトラブルですぐに運転資金が回せなくなり、焦げ付いてしまうことも少なくないのです。

創業したばかりでは財務諸表から存在しないでしょうし、上場していないベンチャー企業では公開してないため、実態調査は困難です。

せめて会社の基礎体力ともいえる資本金については、詳細をチェックしておきたいものです。投資しているベンチャーキャピタルなどの資本の背景も要チェックです。

選んではいけない求人の特徴

高年収・急募・大量採用の求人は怪しい

ベンチャー企業の求人条件に、業界内の他企業と比較して妙に高額な給与が記載されていたりする場合は、要注意です。労働時間が長く残業代コミで、実質的には低賃金のケースが多いため、調査や確認が必要です。

急募・大量採用というのは、人が定着しない過酷な会社で常に大量に採用し、大量に辞めていくパターンの可能性もあります。人材を使い捨てにしていて定着率が悪いため、釣り条件で高額報酬を提示していることもあるかもしれません。

常に求人している会社は、いわゆるブラック企業の可能性もあり、リスクは高いです。

書類選考なし求人も要注意

書類選考をしないでいきなり面接というのも、小さな会社ではありがちなパターンですが、実は注意が必要です。

アルバイトやパートであっても書類選考が普通にある時代に、書類選考100%通過というのは何かあると思いましょう。営業職や電話営業、不動産業界や生保業界に多いですが、とにかく誰でもよいので労働量を確保したいと考えている会社です。

履歴書持参ですぐ面接、面接で即決、明日から来て・・・など、うまい話には裏があります。
つまり、大量に人をかき集めたい過酷なブラック企業の可能性も高いです。

リスクの少ないベンチャー求人を効率よく探すには

ハロワや求人サイトはNG

ベンチャー転職もピンキリですが、自力で転職リスクを回避するのは限界があります。求人サイトなどで公開されている求人情報は会社にとってもよいことしか書いてないですし、実態を調べるのは素人には困難です。

特に資金繰りなどは個人で調べるのは難しいので、ベンチャー求人を多く扱っている転職エージェントを利用するのがおすすめです。

エージェントを通じて企業とコンタクトすることで、他の一般的な企業、同業ベンチャー企業との比較もできますし、アドバイスももらえます。効率的に転職活動を進めやすくなります。特に年収やその他の待遇についての交渉は、エージェントによる仲介が入ることで行いやすくなるメリットがあります。

プロから信用情報を得る

転職のプロである転職エージェントは、クライアント企業となるベンチャー企業の与信管理を行い、企業情報を徹底的に調べています。

前払いの広告掲載とは異なり、転職エージェントは転職成立後の成果払いなので、人材を送り込んだ後でベンチャー企業が倒産しては収入になりません

転職後すぐに倒産したなど、人材ビジネス企業としての評判を落とすわけにもいきませんから、将来的リスクがある場合でもしっかり説明してくれます。

転職エージェントに人材確保を依頼するベンチャー企業は、ある程度の資金力があり信用もある会社といえるでしょう。業界のコネクションで企業情報もリアルタイムで入りますし、危ないベンチャー企業は事前に避けてあるので安心です。

ベンチャー企業への転職におすすめのエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェント

転職成功実績NO.1を挙げているのが業界大手のリクルートエージェントです。人材のスペシャリストたちが集い、転職情報に詳しいプロが担当してくれます。非公開求人数が20万件を超えており、大手最大の特徴といえるベンチャー企業を含む豊富な案件と抜群の知名度と人材を武器にしています。

何よりも転職というのは不安が付きまとうものです。業界最大手という安心感は転職活動を行う上で欠かせません。転職先で活躍できることを目標に、またその後のキャリア形成も考えてのサポートしているそうです。リクルートエージェントなら他社と違う結果、良い未来になる可能性あると思います。おすすめです。

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まとめ

やりがいを感じることができるベンチャー企業へ転職したいという人は多いですが、ベンチャーへの転職はリスクも高いです。創業してからの年月が浅く実績がないので、福利厚生や教育制度が出来上がっておらず、倒産の危険性も高いです。

ベンチャーの転職では、高年収で大量に募集している求人や、書類選考がない求人には注意が必要です。人材を大切にせず、次々に使い捨てにしている可能性があるため、事前にしっかりと調べておきましょう。

個人で調べるのが難しい人は、転職エージェントに相談して、プロから企業の情報を教えてもらうこともおすすめです。危ないベンチャー企業はあらかじめ求人から避けられているため、ブラック企業に採用されることもなく安心です。