勤め先だった特許事務所の先行きが不安だから…このような理由で少ない自己資金を投じて弁理士として独立したのはいいものの、仕事があまり入らずに事務所を畳もうと考えていませんか?
でも事務所を畳んだ後の転職先について考えると、弁理士の自分に他にできる仕事は何があるのか…不安になったり、考え込んでしまいますよね。

そこでこの記事では、弁理士で独立失敗した後の転職先について紹介します。
当面の生活資金はあるから、焦って転職活動して失敗したくない!できれば特許事務所時代よりもよい待遇で転職したい!と考えている人は必見です。

弁理士が独立して失敗する致命的な3つの理由

市場調査や時代のニーズを把握していなかった

弁理士として特許事務所を立ち上げる際、前職に批判的な意見をもったり、あまりの過酷な労働環境から逃げるようにして立ち上げた場合、市場調査が十分ではなかったというケースがあります。
独立するからには、どのような企業が周囲にあって、どのようなニーズがあるのかを把握している必要があるのに、十分に切り込んで考える間もなく事務所のほうが先に立ってしまうと、顧客不足に悩むことになり、廃業に追い込まれてしまうのです。

営業力、マーケティング能力不足

独立する場合は、もう所属している事務所や企業頼みで顧客が獲得できるわけではないため、イチから集客する必要があります。
集客のために必要なのは、営業力マーケティング能力です。
弁理士の仕事に専念するあまり、自分から仕事をとりにいくことをしてこなかった人は、営業に何が必要なのかがわからずに四苦八苦します。

また、自分の事務所の競合事務所はどんなところで、どんな顧客を抱えていて、どんなところが勝っていて、どんなところが負けているのかのマーケティングができていなければ、そもそも他事務所と闘って生き残ることができません
その結果、競合事務所に案件をとられ続けて廃業するしかない…という状況に追い込まれてしまうのです。

他の特許事務所と差別化が図れなかった

数多くある特許事務所の中で生き残っていくためには、クライアントに「どの事務所も同じ」ではなく、「この事務所だから、この弁理士がいるから依頼したい」と思わせる必要があります。
そのため、他の特許事務所との差別化を図ることが重要課題です。

たとえば他の事務所よりもこれが優れている!他の事務所にはないこんなサービスがある!という武器があると差別化は図りやすく、実際に他の事務所よりもスピード重視という点で差別化を図って独立に成功した特許事務所もあります。

しかし、このような差別化のアイディアは、事務所設立の前に構想を練っておかなければならないもので、事務所の経営が傾き始めた頃に実践しても手遅れであり、廃業するしかない…という人もいます。

そもそも独立開業して何とかなる時代は終わった

特許事務所として独立すれば儲かる!というのは昔の話…。
特許事務所の中でもいまだに成功を収めているのは、設立が早かった弁理士が多いのが現実です。
この業界は先行者利益の大きい業界であり、その背景には、クライアントからすれば、よほどの不満があるなどのネガティブな事情がない限り、事務所を変更して案件をイチからやり直すことが面倒で、リスクが高いということがあります。

そうなると、後になって事務所を構える人は、その他事務所からの案件を奪うことはかなり不可能に近く、新規案件獲得にいそしむものの、それも大手事務所に持って行かれて仕事がない…という状況になってしまうのです。

独立開業をして何とかなれたのは、特許事務所があまり目立たなかった頃の話であり、特許事務所が珍しい存在ではなくなった今、むしろ独立するほうがリスクが高いということは、勤務弁理士の間では常識のようになっています。

経営がうまくいっている独立組はコネが豊富

独立して経営に問題なく事務所を維持している弁理士の多くは、元々持っているコネが豊富であることが多いのです。
独立前からの既存客が独立後はリピーターになり、まずはそこで案件数が安定します。
さらにその既存客からの紹介で他の案件も得られるため、新規案件も取り込みやすいのです。

リピーターがいるだけでも経営の安定に一役も二役も買ってくれるのに、リピーターから新規顧客まで派生するのですから、元からのコネが事務所経営に与える影響の大きさがわかります。
また、元からの既存客が大口の場合、その紹介も大口顧客であることが多く、儲けの少ない小さな新規案件をいくつも取ってくるよりも、かなり効率よく収入につなげることができます。

弁理士で独立失敗した人におすすめの再就職先

では、特許事務を廃業した人はどこに再就職しているのでしょうか。
また、弁理士の資格・スキルを活かした転職先について紹介します。

メーカーの知財部なら福利厚生や給与も手厚い

弁理士の資格を活かしたままで、それほど業務内容にギャップのない仕事に転職するなら、メーカーを主とした一般企業の知財部という選択肢があります。
一般企業の中でも、上場企業の知財部ともなれば扱う案件も大きく、特許をゴールとして企業内での発明の掘り起こしから出願権利化までの一連の業務を担います。
特許事務所に比べて業務内容の幅は狭まりますが、知財部内、そしてエンジニア等の技術者との連携が必要になります

特許事務所とは環境も変わるし不安…という人でも、企業が大きければ教育制度もしっかりしているうえに、年収面でも年収600万円~1200万円と安定しており、女性弁理士にとっては産休・育休制度によって結婚や子育てといったライフイベントにも対応しやすくなります。

また、自分で事務所を構えていた頃は無縁だった退職金制度も充実していることから、退職後の生活まで安心できるというメリットもあります。

「特許事務所に出戻り」は比較的簡単

弁理士事務所を立ち上げたけれど、思ったように経営がうまくいかずに事務所を畳んだ人の中でも、異業種に再就職するよりも、元の特許事務所に戻る人もいます。
特許事務所での業務内容には慣れていて、さらに経営者目線でも考えることができる力が身についているため、元々の退職理由が人間関係以外であれば、事務所としても再就職を受け入れたい人材ではあるからです。

また、元の事務所に戻るのに抵抗がある…所長や先輩弁理士等とのウマが合わなくて事務所を立ち上げたのに、今更戻りたくない…という場合は、他の特許事務所に再就職する人もいます。
他の特許事務所でも、雇用される側の立場しか経験していない弁理士よりも、場数を踏んで、それなりの顧客を抱えている弁理士のほうが、雇用するメリットがあるため、採用に積極的なのです。

特許事務所に戻るよりも将来性があるのはコンテンツ制作系企業

特許事務所に戻るのは難しくない、むしろ容易なことですが、特許事務所に戻れば、また元の退職理由である「労働環境」「人間関係」「時間外労働」といった自分にとって不利益となることで悩む可能性があります。
それよりも、やはり将来性のある再就職がしたい!という場合は、数年前から成長著しいコンテンツ制作企業に再就職するという選択肢もあります。

ソーシャルゲームキュレーションサイトといった、スマホを中心としたコンテンツ制作は、今後も発展し続ける可能性が高く、ゲームの機能やサイト内容などについて、特許・知的財産の管理を行うことがメインの業務となりますが、一刻一秒を争う世界でもあるため、時間外労働は避けられません。
また、弁理士の資格だけではなく、「知的財産管理技能士」の資格を取得することが必須条件の企業もありますが、この資格は上述したメーカーの知財部など、転職の選択肢を大幅に増やすこともできます。

さらに、コンテンツの普及による企業の発展によって、将来的にかなりの高収入を見込めるため、企業選びの段階で、コンテンツ内容や企業自体の成長性を見極めることができれば、再就職後の収入で悩むことはありません。

再就職したいと思ったらまずは求人をストックしておこう

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独立失敗からさらに転がり落ちていかないための転職方法

前職とつながりのある職場は避ける

特許事務所の独立で失敗したことが転職においてマイナスイメージになることは必ず避けたいものですよね。
また、退職理由がネガティブなものであればあるほど、以前の職場と横のつながりがある職場を避ける必要性があります。

まったく以前の職場とのつながりがないという条件をつけると、自分だけでは転職先を探したり、情報を仕入れたりするのには限界がありますが、廃業後からの職探しでは間に合わないため、効率的に転職活動を行う必要があります。

転職エージェントを活用すれば効率的な転職が可能に

効率的に転職活動を行うためには、転職希望者に対し、転職活動をサポートするサービスを提供している転職エージェントを利用するという方法があります。
大手の特許事務所とも取引がある総合型転職エージェントであれば、転職先の内部情報を効率よく収集できるのでおすすめです。
独立で失敗したという経歴についても、書類や面談の対策段階でキャリアコンサルタントからサポートを受けることができるため、自力では不安だった再就職活動も安心して行うことができます。

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具体的には、面接力向上セミナーなど、無料セミナーも充実しており、転職希望者に有利な選考や年収交渉ができます。

さらに全国各地に拠点を構えており、土日対応も可能のため、地方在住の人や、今も勤務中で土日しか転職活動ができない人でも活用することができます。

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まとめ

特許事務所独立に失敗した…と思ったら、再就職の準備は、本格的に廃業する前に始める必要があります。
その際には、以下のような転職先を候補に入れて再就職活動を始めましょう。

メーカーの知財部→上場企業なら給与も安定していて福利厚生も充実
事務所に戻る→経営者目線での仕事ができて、再就職後のギャップは最小限
コンテンツ制作企業→日々生まれる新しいコンテンツを権利化するやりがいと企業の将来性によって高収入

自分だけでは上記の候補のうち、本当に労働条件がよいところは見極めがつかない場合、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
企業内部の事情も事前にわかるので、効率的かつ失敗のない転職が実現できます。